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おっさんが異世界でチートする話だったのに  作者: 陰キャきっず
真説 第二章 トゥルームーン ハーベストストーリーズ
26/122

その4(終)

「クックック……」


 不敵な笑みを浮かべる青年―――ぼっちゃん。


「そうだ」


「!?」


 さっきまでの柔らかな笑顔から豹変し、

不気味に笑い続けるぼっちゃん。


「気づいちまったか、もったいねえな、おっさん」


「ぼっちゃん……!」


「そうさ。俺が……本当の神だ」


「!!!やっぱりか」


 やはり、俺のたどり着いた答えは正解だった。


「お前を転生させたとき、俺は代理の神の後ろからちゃんと見てたんだよ」


「……なんのためにこんなことを?」


「お前が真実に辿りつくのをずっと待ってたのさ」


「だからなぜ!」


 もったいぶって焦らすぼっちゃんに

思わず怒声を上げてしまう。

くそ、落ち着け俺……。


「お前は繰り返す時間の中で僅かずつだが成長していった」


 俺の周囲をぐるぐる回りながら語り始める。


「中では国王になって世界を征服しようとしたお前もいたっけな」


 そう。俺は国を築き、一国の王となって

一人の少年と激闘を繰り広げた記憶もある。


 思えば、あの時だけは異質な人生だった。


「お前はいわば可能性を秘めた獣なんだよ」


「……!」


 可能性……!?。


「当たりを引いたと思った。おっさん転生者ピックアップガチャに詫び石を

 置いといて心底良かったと思うぜ」


 一体なんの話をしているのか俺には分からなかった。


「それとこの事件となんの関係がある?」


「そう、これから開かれるゲームのためさ」


「ゲーム?」


「ああ。神々と転生者による、な」


「!!??」


 その突拍子(とっぴょうし)の無い話に俺は驚く。

その話しを額面(がくめん)通り受け取るのなら

神は複数存在し、転生者もまた同じだということだ。


「その名は《転聖戦争(ナロナロク)》」


「なろ、ナロク?」


「そう。神々が保有する転生者同士を殺し合わせるゲームのことさ」


 なっ―――。


 殺し合いだって……?。

想像を超えた展開に俺は戦慄(せんりつ)する。


「もちろん俺も参加する。そのためには一人でも強い転生者を集めて

 おきたかったのさ」


 そんなことのために、俺をこの世界へと呼んだというのか。


「この繰り返す世界を作ったのはいわば転生者のレベル上げのためだ」


「繰り返される世界でお前は世界にとって重要な特異点と化した。

 後の世界の歴史を変える、な」


 思い当たるふしは多くあった。

いつの間にか人間を超えた存在へと変わっていくことに

俺は疑問さえ感じなかったのだ……。


「そのレベルまでくればお前の魂は神々との戦いに十分使えると判断したんだよ」


「まあ、自力で真実に辿りつくとは思っていなかったがな」


 にやりと笑みを浮かべるぼっちゃんの顔が

今はとにかく腹立たしい。

俺はこいつの手のひらでずっと踊らされていたのだ。


「なるほど……。なにもかもがお前の書いた筋書どおりだったわけか」


「そうだ。手を組もうぜおっさん。あんたと俺が組めば絶対勝てる」


 今まで良いように使われた俺の内心など

まったく気にしていない様子でそう持ちかけられる。


 だが、それと同時に確かに俺への信頼が伝わってくる。


 しばしの沈黙。


 俺は色々胸の中で渦巻く思いを

とりあえず置いておくことにする。


「……いいだろう。分かった」


 不本意な部分も多いが、それほど

期待されているのなら悪い気がしなかった。


「おっさんならそう言ってくれると信じてたぜ」


 なんとも調子の良い男だった。


「言ってろ。俺以外には仲間はいないのか?」


 まさか一人で戦えとは言うまい。


「いや、いるよ。おい!もう出て来ていいぞ」


 ぼっちゃんはなにやら後ろに向かって話しかける。

すると、二つの人影が見えてきた。


「!!!???お前たちは!!!???」


 俺はさらに驚愕した。


 そこには―――。


「お久しぶりですね。おっさん」


「俺のこと覚えてますか?」


 いつかの世界、ともに戦った戦友たちの姿が

そこにあったのだ。


「ぼっくんに……暮人くんじゃないか!」


 俺は歓喜した。

苦しくも楽しかったあの頃の気持ちが

際限なく湧き上がってくる。


「いやあ懐かしいな。かれこれ千年ぶりかなぁ」


「ほんとだな、ケモミミ奴隷ハーレムにも

 飽きてきたところだしちょうどいいか」


 久しぶりに会うはずの彼らは

出会った時とちっとも変わっていなかった。

 

「また君たちと話しができるとはね。本当にうれしいよ」


 感動の再開に花を咲かせる俺たち。


 その時、予想だにしない出来事が起こる。


「俺を忘れてもらっちゃ困るぜ」


 ぬるっと、木の陰から現れたのは

まさかの人物だった。


「えっ、お、お前は!」


「俺はショー。しがない転生者さ」


 







異世界歴1000年


 悠久の時を駆け抜けた《真実》への旅が終わり、

新たなる戦いが始まろうとしていた―――。






新章へ―――。

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