その1
真章突入……!
「ハッ!」
気が付けば俺は土の上に倒れていた。
「ここは、どこだ!」
周りを見渡すが見知った景色ではない。
「見たところ異世界のようだが」
現状を把握する。
「ん?なぜか土の味がしたような……気のせいか」
ちょっとした違和感を感じつつ、気持ちを切り替える。
「多分ここから歩いてしばらくしたらお城につきそうな気がする!」
そんな気がしたので俺は直感に従い
道なりに進んでいくのであった。
「ついた!」
「途中で美少女の私が仲間になったわね!」
「びっちゃん!」
「おっちゃん!」
お城への道中、まるで初めてあった気がしないほど
シンパシーを感じるびっちゃんが仲間になったぜ。
「あ、今日は勇者召喚の日だって」
「見に行きましょう」
高まる期待を胸に、
俺たちはお城へと足を運んだ。
「く、くそ!ここはどこだ!」
「どうやら我々は異世界に召喚されたようですね」
「そんなぁ帰れないの?」
「ええ……」
異世界召喚は初めてなのだろう。
見たところ高校生なのだろうが、
何が起こったのか理解が追いついていないようだった。
「最近はこんなの多いの?」
「いや、私の中では異世界は初代サモ○イで終わってるのでなんとも」
「てか古くねこの設定も?」
まるでおふくろの味のような
こてこての展開は、ノスタルジーさを感じさせてくれる。
「とりあえずステータスを見てみよ!話はそれからじゃ!」
「おわ!なんだ!これがステータス!」
「ブルータス!」
「ステータス!」
「ステータス!」
召喚された少年三人と少女一人は、それぞれステータスを確認する。
「俺は力が強い!」
「僕は魔力が強い!」
「私は速さが強い?」
「な、俺だけステータスが天元突破!でも黙っとこ!」
「なんじゃ貴様!なんも強くないなら出てけ!」
「ええ!そんなさよなら!」
何故か一人だけ追い出された様子だ。不思議だね。
みんなで手を取り合えたならどんなによかったか。
俺たちは去っていく少年を
横目に見ることしか出来なかった―――。
「魔王を倒してね」
「しょうがないやるしかないかいくぞ二人とも!」
「ええ!」
「うん!」
「はい!」
「イエス!」
「あれ?むしろ増えてない?」
王様からの頼みを承る俺たち。
しかし、俺とびっちゃん以外の面々は
珍しいものを見るかのような顔をしている。
「お前たちは何ができる!」
「わかりません!」
「クワの扱いでは誰にも負けません!」
それぞれが魔王討伐への熱い思いを語る。
「いらん!追い出したあの子について行ってやってくれ!」
いらなかったようだ。
「やれやれ目立たないのは嫌いなんだが」
「処刑するぞ」
やれやれ感を出しながら
俺とびっちゃんは、王様の命令を果たしに
追い出した少年を探しに行くのであった。




