その2
「俺たちは誰と戦っているんです?」
ミカータ軍の基地に連れてこられた俺は、
とりあえず詳しい事情を知りたいので
女の子に説明を求めた。
「私たちの敵チッカーク帝国は10年前にナローボットを作ったわ」
「ナローボット?」
「あのでかいロボットのことよ」
「なろへそ」
「なんやかんやあって戦争になって今私たちは負けてます」
「まじか」
「そして私たちにナローボットめんどいからNBと略すけど
NBを作る技術はなくて最近まで負けてたわ」
「じゃあ俺たちの《ムソー》は強奪機体!」
「イグザクトリー!」
俺の赤い色の《ムソー》も帝国のものだったようだ。
運よく機体があってよかったな本当によかったな。
そこに転移できてよかったな。
「!?チッカーク帝国軍が攻めてきたぞ!」
「なに!」
いきなりの敵襲。
すぐに慌ただしくなるミカータ軍基地。
俺たちもすぐに外に出て状況を確認する。
「あ、あの銀色オッドアイの《テン・プレ》は!」
「まさか……《銀騎士》ぼっくんか!?」
「やべーぞ逃げろ!」
周りの兵士たちがざわざわしだした。
みるみるうちに士気が下がっていくのがわかった。
「そんな!敵のエースがこんなところまで!」
エースか!。
「くっ、俺が出ます!」
現状、修理中の彼女の機体を除いて
出撃できるのは俺の赤い《ムソー》一機だ。
急いでNBの格納庫まで向かう。
「あっ!待って!ショーくん!」
しかし、女の子に呼び止められてしまう。
そこで俺は大事なことに気付いた。
「名前なんだっけ!」
不覚。彼女の名前を聞くのを忘れていた。
まさに、木を見て森を見ずとはこのことだった。
しかし、彼女の口からは予想外の言葉が返ってきた。
「お前は今までに読んだWEB小説のヒロインの名前を覚えているのか?」
「覚えています。聞きたいですか?。
アリスアリサアリアアリシア……皆俺のかわいい
お嫁さんだった……」
「キモ」
ひどくない?。
「で、なんだよ急いでるんだ」
「最後かもしれないでしょ?だから伝えておきたかったの」
「俺死んでしまうストーリー?」
「殺すぞ」
ちょっとした聞き間違いジョークで場を和ませようとしたが
すごく真剣な表情をされては何も言えない。
「なんだよ」
「私……あなたのことが……」
何かを言いかける彼女。
「いえ、何でもないわ。おいしいサラダ作って待ってるね」
結局彼女は何も言わなかった。
何故だろう、その答えを聞くことはもうないような気がした。
「ああ!」
急いで格納庫に向かう。
「ショー!旧型機の《ムソー》で行きます!」
それっぽいことをいいながら
俺はまったく慣れてない操縦桿を握りしめ
迎撃にむかうのであった。




