その3
あれから村の中へと案内されて、落ち着ける場所へと
やってきた僕とおっさん。
「あなたはお仕事とか何されてるんですか?」
出会ってからの疑問を口にしてみる。
すると、うーんと首をかしげながら少し言いにくそうに、
「ニート……ですかねぇ」
と、反応に困るようなことをおっしゃられた。
「あ、すいません」
「いえ」
少々気まずい空気が漂う。
すると、色々あってエネルギーを消費したのか、
とたんに空腹感が襲ってくる。
「ああ~、腹へったなぁ」
着の身着のまま異世界へときてしまったので
何も食料になりそうなものを持っていなかった。
どうしたもんかと悩んでいると……。
「でしたらどうぞチートを分けてあげますよ」
「え!?いいんですか!?」
「ええ。困ったときはお互い様です」
なんとおっさんが僕にチートを分けてくれるというのだ。
なんて良い人なんだ……。
「あり!」
「キモ」
うるせぇクソブサハゲ。
「おっさん!僕と一緒にクラスの奴らに復讐してくれませんか!」
チートにより事なきを得た僕は
今までの経緯を説明し、おっさんに協力を仰ぐ。
しかし、おっさんはどうも渋い表情に変化していく。
「復讐は何も生まない」
まるで人生経験が豊富だといわんばかりに常識を口にする。
「確かに」
そうかもしれないと納得しかける自分がいる。けれど……。
「でもやっぱり復讐したい!」
とりあえず湧き上がる復讐心が抑えられず大声を上げてしまう。
それでも、おっさんは冷静だった。
「その場合は君もまた復讐される側になるんだぞ!」
「!!??」
もっともらしいことを言われてしまう。
「終わらない復讐の連鎖は断ち切らなくてはんたらかんたら」
なんか話しが長かったので九割ほど聞き流していた。
「殺していいのは執念だけだ」
「おっさん……」
「わかってくれたか?」
色々説教されたのだが、どれも心に入ってこなかった。
「復讐はついででハーレムを作りたいだけなんですが」
「あ、やっぱり?」
どうやら本心はバレバレだったようだ。恥ずかしい。




