その4(終)
「街にドラゴンが向かってきます!」
「やべーぞ!ドラゴンだ!」
「逃げろー」
突然、街にドラゴンが現れた。
破壊の限りを尽くす怪物に、街はなすすべもなく壊されていく。
とにかくやばい状況だった。
そして今、冒険者ギルドにお偉いさんとかが一同に会するのであった。
「戦える冒険者を集めてください」
この絶望的な状況を覆す方法には心当たりがある。
俺の頼みを聞いてくれたお偉いさんが、大勢の冒険者を引き連れてきた。
「ああ、全員集めたぞ」
SSSランク冒険者をはじめ、そうそうたる面々がここに集まってくれた。
「俺にいい考えがあります」
ギルド内がざわざわしだす。
「聞こう」
神妙な顔で俺の答えを待つ一同。
「まず戦力を三つに分けます」
俺はテーブルに街の地図を広げ、説明を始める。
「正面に立って足止めを行うA班、両翼から挟撃するB、C班に分かれます。
そうすることによって、ただやみくもに戦うよりかは勝てそうな気がしませんか?」
ドヤァ顔で俺は作戦を提案する。
「!!!???なるほどそうだな……?」
「こんな戦法聞いたこともない!」
まさに奇想天外な作戦内容に驚く人々。
勝てる、勝てるんだ―――。沈んだ空気が一変、一同の顔に光が差し込んだ。
「行きましょう!戦える者は俺についてきてください!」
冒険者ギルドを飛び出し戦場へ向かう。
言い出しっぺなので先陣を切る。
ドラゴンに突撃する俺の後ろからは大勢の冒険者が続く。
「おおおおお!!!」
雄たけびをあげ、ドラゴンに攻撃を開始する俺たち。
しかし、彼らの勢いも落ちていき次第に劣勢に追い込まれる。
「足を止めないで!とりあえず突っ込むのよ!」
美少女が味方を鼓舞する。
しかし、圧倒的な力の前には、なすすべもなかった。
「うわああああ!!!」
次々と吹き飛ばされていく冒険者たち。
「く、くそ!このままじゃ犠牲が増えてしまう!」
このままでは―――。もはや、勝つ術が思いつかない俺は絶望していく。
ここで終わってしまうのか……。
しかし、その時だった。
ハッっと、何かに気付いた奴隷の一人が俺に一筋の希望を見出させた。
「ご主人様!もしかしてチートを使えばなんとかできるんじゃ!」
―――ッ!?。
「!!!???そうだ、どうして思いつかなかったんだ!」
まさに、井の中の蛙大海を知らずといったところだった。
俺の狭い知識では辿りつけない、彼女だからこそ思い至った方法だった。
「いっけえええ!ハイパーチートマジック!」
「グワアアアア!!!!?」
チートにより形成は逆転。
あっという間にドラゴンの勢いを消え失せていく。
やがて、力尽きたのかピクリとも動かなくなる。
「やった!我らの勝利だ!」
おおお―――ッ!。勝利の雄たけびをあげる俺たち。
「英雄おっさんの誕生だ!」
「流石ですご主人様!」
「流石ですおっさん!」
とりあえず大勢の人々が俺を褒めたたえる。
「やれやれ出来るだけ目立たないようにしてたのにな」
心にもないことを呟きながら、なんか王様が話があるそうなので
王城へと向かう。
「国王がお待ちですどうぞこちらへ」
お偉いさんに案内され玉座の間に腰を下ろす。
「よくやったおっさん!」
「人として、当たり前だと、思います」
一国の王からの賛辞も謙虚に受け取る。
カンストしていく俺の評価。
命をかけて戦った甲斐があったというものだ。
「なんという人柄!」
「わたくしと結婚してください!」
「いやだ」
これにて国を揺るがす大事件は幕を閉じたのであった―――。
新章へ……!!




