表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
4/5

上中下の下

 まぁ他にも、原因は解ってるしどういうことかも解るし、でも「不思議だなあ!」と思えた体験はあるけど、大きい話はこれくらいだ。あとは本当に人に聞いてもらって「で、それが?」て話しかないから言ったって仕方がないけどさ、


 お前、こんな話聞いて、どうすんだ。


 お前さ、さっきから何度も、キッと後ろを向くよな。

 俺が先にここに来て、お前がやってくるのを見ていたときもそれをやっていた。

 何もないのに、なんか聞こえるんだろ、とても無視できない音が。


 正真正銘、誰が聞いても怖いと思わない話をしてやるよ。

 もう何年も前、二十年くらい前かな?夜布団に寝ていると、


 俺の母親の声が聞こえるんだよ。


 その声ってのが温泉で聞いたお湯の音みたいに、ちゃんとした音声でなくてな、抑揚とか勢いとかよく言っていた言葉の感じでな、何を言っているのか集中して聞こうとすると頭がおかしくなっちまいそうなんだが、まぁ聞いていて、脳の聴覚部位に声が染みていて、それが再生されていると思ったんだよ。

 別に怒られたり叱られている口調じゃないから(あぁ、聞こえるなー)って聞き流していたんだけどな、


 その後、村上春樹の「風の歌を聴け」を読んだら、小指のない女の子が、寝ていると大勢から酷いことを言われる声が聞こえるって書かれていてな、

 で、村上春樹研究本を読んでいたら、それって統合失調症の初期症状の一つだって書かれていてさ、

 あぁ、あのとき俺はちょっとヤバかったのかと思ったんだよ。

 母親の声も宴会場の歓声も心地よかったから聞き流したし、はっきり聞き取ろうとしたら頭がグラグラしてヤバくなりかけたしで、深く考えずに済んだから大丈夫だっただけで、気のせいとか、たまたまとか、勘違いとか、偶然とか、そういうものを突き詰めなかったから良かったんだろうな。


 お前、大丈夫か?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ