上中下の中
次は日本で有数の神社に行ったときだ。
一度はその神社に行ってみたいと思っていたんだけどなかなか足が向かなくてな、全く関係ない、その神社の近くでの仕事を頼まれて、夜行バスでブーンと行ってな、朝一番に駅について仕事はお昼だ、調べてみたらその神社に行けるんだよ。
日本有数の神社だ、世界中から観光客がやってくるから混雑するんだけど朝一番だ、まぁ大丈夫だろと行ってみたら大丈夫だった。
人っ子一人いないってわけじゃないけど結構少なくてな、境内のちょっとした登山ルートを歩いてもほとんど人とすれ違わない。
俺によくしてくれるYouTube の怪談配信者がここに来ようとしたとき、道中でかなりのごたごたがあって(嫌われてるのかな)と思ったっていってたんだが俺はそういうこともなくスタスタ山道を歩けてな、大勢が寄進してかなり大きい社に着いたんだ。
山道を歩き始めてちょうど半分かーと手を合わせたらな、
お経が聞こえてきたんだよ。
最初は境内に張り巡らされているスピーカーから流れてきたのかなと思ったけどそんなことはなくて、当たりを見渡したら一匹の大きな虻が俺の後ろで飛んで三角形を作っている、その虻の羽音が音の太さから強弱から、りっぱなお経に聞こえるんだよ。
考えてみれば神社にお経ってのも妙な組み合わせなんだけど、でも神聖な場所でありがたいお経だから嬉しくなってな。
俺が知らないだけで祝詞だったのかもしれないが、ブッポウソウという鳥だって空海上人だっけ、仏・法・僧という鳴き声に感激したって話もあるんだから、悪いことであるはずがない。
その虻にも手を合わせてしばらく聞かせてもらって、で山を下りたよ。




