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7.一つ目の欲の扉

少し編集して言葉加えました。(2026.6.2)

あ〜、よく寝た!!

はぁ…夢であって欲しかったけどやっぱり現実か…


周りを見て、昨日と同じ光景だった事にため息を吐く。

だけど、寝たままでも灯が消えてなかったのは幸いだった。

これが消えたら俺はもうアンブルに喰われてこの世にいなかったはずだ。


それにずっと暗いから1日経ったのかどうかも分からない。

だから寝たら次の日になったんだと考える事にしよう。


今日は何をしようか考える。

とりあえず、この暗闇の世界で1人は寂しい…人に会いたい。

そうだ、今日は人探しをしよう。

それに、この世界に俺以外の人がいないのかを調べたい。

いたらこの世界について色々と教えて貰いたい。


そこで、天照の言葉を思い返す。


天照は神々が与える試練があってそれを欲の扉と呼んでいた。

神々という事は天照の他にも神がいてその神達にも眷属がいたら俺の他にも神力が与えられた人がいるという事になる。

そして、その眷属達も俺と同様にこの世界にいる可能性がある。


この予想が当たってるかは分からないが確率的には高い気がする。

それに何故俺がこの世界来なければならなかったのか何か理由があるはずだ…

その理由も知っていたら聞きたい。


もし、俺が神ならそんな奴らを戦わせて楽しむという神の娯楽を作るだろう。

そこで(よぎ)った。

なんてこった…

もし、俺の思考と同じ神がいたらこの世界はどうなるんだ…と想像を膨らませる。


考えすぎか…


人がいて欲しいという希望を持って洞穴から出た。

昨日行った方は川があったから今日は逆の方向に行ってみようと思う。

つまり、洞穴のある断崖絶壁のこの山の上に登る。


高い所から見れば、街があったら光ですぐ分かるはず…


洞穴がある山を回り込みながら、登れる場所を探す。

すると、少し急だがまだ登れそうな所があった。

断崖絶壁よりは全然マシだ。

そこからなんとかよじ登る。

生えてる木を使いながら登って行く。


ん?


何かあると思ったら、木の生え際にキノコが生えていた。


おっ!

食料発見!


何のキノコだろうか…

生えてたキノコはどこか舞茸に似ていた。

まぁ何にしろ、もし毒キノコであっても浄化を使えば関係ないだろう。

火鍋に入れたらキノコ鍋か…美味そうだ。


ポケットに入るだけ取って入れる。

ポケットがパンパンで歩きづらい。

流石に食料を入れるリュックが欲しい。

それに、他にも布団が欲しい。

今日起きて分かったけど、地面だと硬くて首と腰が痛い。


今欲しい物を考えながら、頂上を目指す。

靴がスニーカーだったので登りづらかったが何とか頂上っぽい所に辿り着いた。

ちょうど木のない所から周りを見ると、山の向こうに少し遠いが一際(ひときわ)目立つ場所があった。


暗い中、赤い光が存在感を出している。

どうやら、火を使っているらしい。

それにしても、明るくなっている範囲が少し(せま)い。

街ではなく村だろうか…


しかし、そこを見てから人に会いたいという欲も増してくる。

そこに無性に行きたくなった。


すると突然、山が揺れ始めた。


ゴゴゴゴゴッゴゴゴゴゴッゴゴゴゴゴッ!!!


え、何っ!?


慌てて近くの木に掴まり、揺れに耐える。

すると、地面から何か出て来た。


えぇぇぇーーーーー!

何これ!?

岩?なのか!?

なんか黒くて不気味だ。


急な出来事に頭が混乱する。


あ、止まった。


出終わったのか、揺れが止まった。

俺より少し大きい2mくらいの高さはある岩の塊が出て来た。


なんだこれ?


近づいて、岩を調べる。

叩いたり、蹴ったり、呼びかけたりしてみた。

それに反応したかのように一部の岩がボロッボロッと落ちた。


うわっ!

何?

えっ・・・チャック?


岩が()がれてチャックが付いてる扉が現れた。

そして、チャックが勝手に動いて扉が開く。

扉の中は白くて何も見えなかった。


これって、もしかすると欲の扉か…?

もし、そうなら新しい能力が手に入るチャンス!!

よし、欲の扉か分からないけど入ろう!

違ったら出ればいい。


一回入ったら出れない可能性も考えずに頭の中に入る以外の選択肢はなかった。

そして、扉の中に入る。


入った瞬間、空気が変わる。


其方(そなた)が挑戦者か。)


何処からか声がした。


(この先にある物欲の試練を達成する事が出来るのならば我が力を授けよう。)


物欲の試練!?


すると、新しい扉が現れて開いた。


(さぁ、挑戦者よ!この扉を通るのだ!)


そう言われて、どんな試練なのかとドキドキとワクワクで困惑する。

ふぅー、この先に試練があるのか…

扉に近づく度に緊張で鼓動が早くなる。

そして、扉を通った。


また、空気が変わる。

目の前にドーンッと見えるのは通常の10倍はある巨大なクレーンゲームだった。

景色もカラフルな色をしていてアミューズメントパークのような世界観だった。


えっ?

これってゲームセンターとかにあるクレーンゲーム?

中に入ってるカプセルもなんか大きいし…

それに横にあるあれってなんだ?


近づいて気付いた。


これって大きいガチャガチャだよな…


クレーンゲームの横に設置されていたのはこれも通常の5倍大きいカプセルトイだった。


これはどういう試練なんだ?


そう思っていたら、クレーンゲーム前の空中に大きなネオン文字が現れた。


[ゲームのルール]

[その1.目の前にあるクレーンゲームを使い、メダルの入った当たりのカプセルを手に入れろ!]

[その2.メダルをカプセルトイに入れて能力の書かれた当たりの紙を手に入れろ!]

[その3.ハズレの場合、入ってる紙に書かれた罰ゲームをクリアしろ!]

[その4.制限時間は1日!]

[その5.失敗した場合、同じ欲の扉には挑戦出来ません!]

[その6.始める場合、クレーンゲーム前にある赤いボタンを押してください!]


一通り読み終わり、赤いボタンを探す。


赤いボタンはあれだな。


クレーンゲーム前の台の上に赤いボタンが乗っていた。

その台に近付く。


これを押せば始まるのか…


ポチッ!


さらっとボタンを押した。

上にあったネオン文字が消えて、壁掛け時計が空中に現れると同時に時計の秒針がカチッカチッカチッと動き始めた。

まずはクレーンゲームでメダルを手に入れる為にクレーンゲームの前に来た。


これは何も入れなくても動くんだよな?


1のボタンを長押しする。

巨大なアームが横に動いた。


お、動いた。

しかし、迫力が凄いな…


カプセルが大量に入っているが中身は見えない。

とりあえず、あるカプセルを狙って1のボタンを離した。

横に動いていたアームが止まった。

次に2のボタンを長押しする。

すると、アームが奥に向かって動いていく。

狙ったカプセルがある場所で2のボタンを離すとそこで止まった。

止めた瞬間、3本爪のアームが広がりそのまま下がってカプセルを掴んだ。

しかし、アームはスッとカプセルを離して

少しもカプセルが上がらなかった。


えっ?今アームが離したような?

まぁ、気のせいだよな。


思っている合間にアームが定位置に戻って来る。

すぐさま、二回目をする。

同じような動きでもう少し落とし口に近いカプセルを狙う。

1のボタン、2のボタンと押していく。


よし、次は大丈夫だろう。


アームがカプセルを掴む。

スルッとカプセルが滑る。


いや、これはきつい…

これ確率機か?


確率機とは一定数を動かさない限り景品は殆ど取れず、所定数に達したタイミングでアームが強くなるよう確率的に出力が制御されたクレーンゲーム機の事だ。


何回動かさないといけないのか…

これは疲れそうだ。


次は落とし口の真隣のカプセルを狙う。

これは友達がやっていた方法で試してみる。

これがもし、確率機だとしたらこの方法で友達は取っていた。

ただ、この丸いカプセルが取れるかは分からないがやってみる。

1のボタンで落とし口の真隣だからすぐ止める。

2のボタンもすぐ止めた。

狙いのカプセルを目掛けてアームが下がる。


あっ!


アームは思っていたようにいかず、そのまま3本爪でしっかりカプセルを掴んでそのまま上がった。


あれ?


そのままカプセルを掴んだまま落とし口に向かっていく。


まだ三回目なのにもう取れてしまった…

いやいやいや、俺は何を言ってんだよ。

取れていいんだよ!


ゴトンッ!


落とし口からカプセルが落ちてきた。

取り出し口に出て来たカプセルを両手いっぱい広げて取り出すと、カプセルが大きすぎて途中で手が滑り地面を跳ねた。

その自分の非力さに少しイラっとした。


はぁ…

これほんとに持ちづらい。

俺に力がないのは情けないけどこれは大き過ぎるだろ。


流石にこれを何回も続けたらきついから早めに終わらせたいと思った。

このカプセルにメダルがありますように!と祈りながら、パカっと半分開けてメダルを確認する。



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