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5.拠点探し

天照との更新は途切れたが、とりあえず言われた事をする事にした。

まず、神格カードを見て自分の現状を知る事が大事だ。


カードを見ると、名前から書いてあった。


ーーーーーーーーーーーーーーーー

| 本望双葉         |

| 神格 1        |

| 神力 光(発光、灯1m)  | 

| 称号 異世界からの訪問者 |

ーーーーーーーーーーーーーーーー


これだけ?

見た感じ、神格の1は手に入れたばかりだからこれから上げていきたいけど。

他は見ても知ってる情報だからあまり知識としては役に立たなそうだ。


だけど光の神力で何が今使えるか知れるのは普通に嬉しかった。


これからやる事は、神格の上げ方を見つけながら街を探すか。

拠点を作ってそこから水分、食べ物、街を拠点から周囲を広げながら探すか。

どっちがいいんだろう…


目を瞑って額に手を当てて、考える。


…


やっぱり、安定して安心なのは後者だよな。

よし、決めたらすぐ行動だ。

カードをズボンのポケットにしまう。


まず、拠点から探していこう。

森の中を歩きながら照らして探す。


光を照らしながら行くことで周りの草木からガサッガサッと音がする。

多分、光からアンブルが逃げて行ってるのかもしれない。


そうして、歩いているとある尖った葉の草に赤い実が沢山なっているのが見える。


おっ!

第一食材候補発見!


あれは食べれるのか?


側に近づいてみると、5mmくらいの小さな実がなっていた。とりあえず、葉に気をつけて一粒取ってまず匂ってみる。

んー、無臭だ。

次に舐めてみる。

これで痺れたりすれば食べない方がいいと何かで聞いた事がある。

…数分が経っても何も起きなかった。

という事は食べても大丈夫そうだ。

そして、口にする。


ん…

何も味がしない。


この実は無味無臭だった。


これでは、食べた気がしない。

しかし、何か調味料があれば食べれない事もない。

一応、持てる分だけ取っていこう。


あぁ、袋があったら楽なのに…と思った。

いずれ袋になる様な物も探したい。

 

他に何かないか探す事にする。


辺りを照らしながら歩く度にガサッガサッ、ゴソッゴソッと不気味な音がする。


ずっと続くこの不気味な音が気になる。

光があるから何とか歩けるけど光が無いと思うと、ちびりそうだ。

どうにか、アンブルを倒せる方法を探さないとずっと怯えてこの世界で生活しないといけない。


歩いていると、森の中から急に岩の壁が現れた。


行き止まりか…


上を見上げる。


それにしても大きい岩山だな。

しかし、右か左どっちにいけばいいんだろうか。

んーー、こっちだな。


自分の直感で右に決めた。

岩壁に沿って、右に向かって歩いていく。

岩壁があるお陰(かげ)で右180度しか警戒しなくて助かる。


ある程度歩いた所で、岩壁に穴が開いていた。


あそこに穴がある。

ちょうどいい、あそこを一旦拠点にして村を探そう。


穴の前に行くと、横は大人3人分と高さは2mくらいはある洞穴(ほらあな)だった。

奥は暗くて見えなかった。

中に入ると、光が天井まで照らされる。

光を照らしながら進んでいくと、何かキーキーと鳴いているのが聞こえた。

何かは見えないが飛んでいるのは分かる。


何だあれは?

奥には行くけど、光があるこっち側には来ないみたいだ。

いや、もしくは来たくても来れないのかもしれない。

という事は、アンブルの可能性がある。


洞穴が何処まで奥に行けるかは分からないがとりあえず、そのまま奥に進んでいく。

次第にアンブルらしき鳴き声が近づいて集まってるように聞こえた。


もうすぐ行き止まりか?


光が奥の壁を照らすと行き止まりと同時に黒っぽい物が飛び回って鳴いている。

次第に鳴き声が小さくなるにつれ、ボトッボトっと落ちて行った。

何かと思ったら小さい蝙蝠が沢山落ちていた。

よく見ると、目が10個も付いていて口も牙が出ていて気持ち悪かった。

次第に光を照らし続けていると消滅して無くなった。


よし、ここを拠点にしよう。

必要なのは寝床と水と食料と火は欲しい。

それさえあれば何とかなる。

拠点は確保したから、入り口に何か目安になる物が欲しい。

それも探そう。


すぐ拠点を出て近くの落ち葉や木の枝を沢山拾って洞穴に入れていく。


これで簡易な寝床と食材ががあれば火を付けて焼いて食べれば腹は膨れそうだ。

果物的なそのまま食べれる物があれば楽なんだけど、そう簡単には見つからないだろう。

スマホで見たことあるけど、水分さえあれば食べ物より多少は生きていけるらしい。


という事で、川か池の様な水場を探す。

もしかしたら、魚もいるかもしれない。

食べれるかは別として、水は煮沸(しゃふつ)すれば大丈夫だと思う。

汚ければ、砂と砂利と小石と服を破った布を使えばろ過が出来るはず…

やった事がないけど、やってみないと何も始まらない。


洞穴周辺を歩くが、なかなか見つからない。

もう少し範囲を広げてみる。


ん?


小さいが水の流れている音が聞こえた。


近くに川がありそうだ。

木々を避けて、進んでいくと川が見えた。

川の水を見ると、底が見えた。

そんなに深くは無さそうだ。

しかし、川の幅は1m先の光が届く所まで水が見えるという事は中々広いのかもしれない。


水場はあったが、水を掬(すく)う物がない。


あーーー、何も考えてなかった。


とりあえず、場所は分かったから水を掬える物が何か落ちてないか探しながら拠点に戻っていく。


探していくがたまにドロドロした土で足がとられる。

足の疲れが少しずつ溜まっていくのが分かる。

戻りも同じ景色に見えるが多分違う道を通ってるに違いない。


ボトッ


すると、突然上から何かが落ちてきた。


ヘッ、何っ!?


思わず、変な声が出た。

見ると、丸い大きなスイカくらいあるだろうか。


これ、何処かでなんか見たことあるんだよな…

何だったかな…


ど忘れして思い出せない。


…



んーーーと、思い出せない。

まぁ、いいか。

これって中身どうなってるんだろう。

中身があったらくり抜けば入れ物にならないか?


そう思い、拠点に持ち帰ろうと持った。


重っ!

何でこんなに重いんだ?

確かに大きいけど、大きさと重さが比例(ひれい)しないんだよな。


無理やり両手で抱き抱えて背中を逸(そ)らしてよろよろと拠点に戻った。


これ、どうやって割ろうか…

流石に手刀で割れないかやってみる。


痛っ!!


当たり前で割れなかった。

腹が減って、脳が働かない。

もう家を出て、何時間経っただろうか…


割れる物が何かないか探していると、石が転がっていた。


これはどうなんだろう…


石で叩いて割ってみる。

トンっ、トンっと軽い音が鳴る。

少し表面の皮に傷が付くだけであまり変わらなかった。


この石も変わらないと行き止まりの方の岩壁に投げつけた。

カーンッと音が響く。

石は飛び跳ねて自分の前に戻ってきた。

しかし、その衝撃でポロっと岩の破片が砕けて壁下に落ちた所が見えた。


あれっ…


近づいて破片を取る。


これは…ナイフみたいに見えなくもないよな。

これは使えるかもしれない。


岩の破片を石を使って叩いて少し尖らせていく。

集中して割れない様に少しずつナイフっぽく近づけていく。

そして、完成した。


よし、これで切ってみよう。


丸い玉を石で叩いて傷が出来た所から切っていく。

本当に少しずつだが、切れていくのが分かる。

それと同様に破片も削れていくのが分かる。

どっちが先に切れるか無くなるか…


夢中で切っていると、ふと手の甲の模様がほんの少しだが大きくなっている気がした。


いや、気のせいか…?

でも一応、更新してみる。


天照が言ってた通り、更新する為に模様に触れる。

ポケットからカードを取り出して見てみると、神格の1の数字が2に変わっていた。


えっ、いつ?

時間?何か達成するとか?

もしかして拠点作ったからとかではないよな…

そういえば、アンブルも光で消滅させた。

それも関係があるのかも知れない。


神格が上がった方法の候補を考えたがどれが正解かは分からなかった。

でも、何か条件があって上がったに違いない。

また、それも調べるとしよう。

それとは別に光の神力が2に上がって出来る事が増えていた。

それは、浄化だ。


浄化が俺が思っている通りで汚れを清潔にして綺麗にする事だとしたら水や食べ物や服を綺麗にしてくれるはず…


それが本当なら、これからの生活が簡易に豊かになるのは間違いない。


試しに草とかに当たって汚れた服に浄化を使ってみる。

服が綺麗になる想像をした。


すると、一瞬にして汚れが消えた。


やったー!!

これでだいぶ楽になるぞ。


ウキウキな気分で切る続きを再開した。



続


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