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3.神具の欠片

次の額縁に入った白い紙はあそこだな。


周りを見て目に映った場所は入口の横の壁にだった。

そこに床に置いて壁に立て掛けてあった。


まじでこれで最後にしてくれよ!


そう願いながら、額縁から白い紙を出して砂を上から全体に流していく。

すると、徐々に全貌が見えて来た。


紙に(のり)が着いていたのか、砂がくっ付いて文字が浮き出て来た。


何だこれ!?


この文字を見て俺は驚いた。

そこに浮き出された文字は『受付の机の引き出しの中』と書かれていた。


いやいやいや、受付の引き出しとか普通そこは見ないでしょ!

確かに、店の中の何処かってこんちゃん言ってたけど…

そこは誰も見ないって!

これはこんちゃんに文句を言ってもいい気がする。


こんちゃんの元に向かった。


「こんちゃん!」

「やっと、最後の一つ持って来たのん?」

「違うよ!文句を言いに来たんだ!」

「な、何だのん?」

「これ見てよ!」


こんちゃんに白い紙を見せた。


流石(さすが)にこれは(ひど)くない?」


その紙を見たこんちゃんは笑い出した。

キューキュッキュッキュッ!


「そこまで見つけれたら凄いのん!今までそこまで見つけた人間はいないのん。」

「えっ?」


思った返答と違う答えが返ってきた。


「でもそれって俺以外にも人が来たって事だよね?」

「そうだのん、何人も来たのん。」

「その人達ってどうなったの?」

「急に消えたから分からないのん。」


急に消えた?

何それ、怖っ!!


俺もそうなるかと思ったら絶対見つけてやると決心した。


「こんちゃん、絶対見つけるからな!」

「頑張るのん!」


えーっとこの紙に書いてあったのは、受付の引き出しの中だったよな。

受付の向こう側に行く。

受付の中に行くと引き出しが何個かあった。


ん?どの引き出しの中の事を書いてるんだ?


そこには、左から右まで縦3つ横3つと横にある机の場所に1つの計10個の引き出しがあった。

とりあえず、順番に開けて見るしかなかった。

左上から開けて見ると、何も入ってなかった。


この引き出しは違うと…


次の引き出しを開ける前に直そうと押すと…


あれ?押せない。

何で?


意味が分からないけどどうしようも出来ないから次見ようとその横を開けると最初に開けた左の引き出しがバタンっとしまった。


えっ?


しかもこの引き出しも何も入ってないし…


その左も開けて見る。

バタンっとまた左の開けた引き出しがしまった。

順番に全ての引き出しを開けて見る。

さっきと同様にまとまっている9個の引き出しには何も入ってないし、その前の開けた引き出しが閉まるという現象が毎回起こった。

それに、離れている1つの引き出しはそもそも(ひら)かない。


どうなってるんだこれ!?

本当に意味が分からない。


何かヒントがないと分からない状態に(おちい)った。


あーーーー、これ詰んだわ。


ヒントをくれないかこんちゃんに言いに行く。


「こんちゃん。」

「何だのん?」

「ヒントってないの?」

「ヒントはないのん。ワイに聞かないでのん。」

「まぁ、そうだよなぁ。」


分かっていたけど…


これ以上どうしようもない為たちまち、何か見落としていないか確認する。

砂の付いた紙を隅々まで確認した。

すると、紙の四隅にそれぞれ何かしら書いてあるのを発見した。


え、あったわ!!

これ、来たかもしれん!


四隅に書いてあった文字は左上に電卓、右上に1、左下に7、右下に4と浮き出ていた。


これは電卓がいると思い、電卓があった場所の記憶を頼りにそこに向かった。

数ある物の中から電卓を見つけて、受付の引き出し前に来た。

そして、電卓を見て思った。


これって3×3の引き出しと電卓の数字の所って一緒だよな…

0は離れている1つの引き出しかは分からないけど。


順番に開けるって事かと思い、紙にあった1、7、4の数字を頼りに開けて見ることにした。

電卓の1の部分は左下だから、左下を開ける。


まぁ、ここは普通に開くよな。

この次が問題なんだよ。

7か4どっちを先に開けるか…

まぁ、間違えたら後からやればいいか。


7を先に開けてみる。

7は左上か。


おっ!!


1の左下が動かなかった。


よしっ!!

これは当たりだな!


残りの4、つまり左の真ん中を開ける。


来たこれ!

っていうか、見たらビンゴになってる!


ガチャッ!!


すると、離れている引き出しから鍵が開いた音がした。


お、開いたっ!


鍵が開いた引き出しをすぐ開けて見る。


まじでこれで終わりにしてくれよ!と思いながら中を見ると、箱が入っていた。


は、箱?

どうせまたこの中に紙があるんでしょ?


渋々箱を開けようとする。


ん?んーーーー、開かない。


力を入れても開かなかった。

側面を見ると、丸い凹みの鍵穴があった。


え、これ…

丸い玉の大きさと一緒な気がする。

でも同じかどうか()はめてみれば分かるはず…


丸い玉を鍵穴に嵌め込んでみる。


入った!!


見事にピッタリ嵌まった。

早速、開けて見る。


うっ!!眩しい!


箱を開けた瞬間、箱から神々(こうごう)しい(まばゆ)い光が店全体に放った。

少し経つと、段々と光が落ち着いてきた。


すると、声がした。


「やっと見つけてくれた人間が来たのん!」

「こんちゃん?」

「ワイは双葉お前を待ってたのん。」

「急にどうした…というか何で俺の名前知ってるの?」


こんちゃんの雰囲気が変わった。


「ワイの目は見たものが分かる神力があるのん。」

「神力?」

「神様の力なのん。双葉もその箱に入ってる神具を取るのん。」


箱の中身を見ると、完全に光が無くなっていた。

よく見ると、赤い布のど真ん中に丸っぽい何か割れてる小さな赤い欠片があった。


何これ?


手に取ってじっくり見た。


「これって何かの欠片?」

「それは神具の欠片なのん。それを手に取った者は特殊な神力を使えるようになるのん。」

「えっーーーーーー!!!???」


目ん玉が飛び出るくらい驚いた。


「それなら俺は何の神力を使えるの?」

「ワイの目には光と見えるのん。」

「光?また大雑把(おおざっぱ)な能力だな…」


でも待てよ?

光って案外使えるかもしれない。

って、いやいやいやいや…


「というか、こんちゃん。見つけたんだから元に戻る方法を教えてよ!」

「ごめんなのん。元に戻る方法は見つけられなかったら元に戻れたのん。」

「いやいや、なんでよっ!!折角(せっかく)、頑張って見つけたのにそんな仕打ちないでしょ!」

「だから、ごめんなのん!その代わり神力手に入れたのん。」

「まぁ、それは嬉しいけど…だったら俺はこれからどうしたらいいの?」

「あの扉見えるのん?」


こんちゃんが勾玉(まがたま)の模様が付いた扉を尻尾で差した。


「見えるけど…」

「あの扉の向こうの世界に行ってもらうのん!」

「っ!?」


あまりにも衝撃的な事で声が出なかった。


えっ?


「安心してのん。向こうの世界は怖い事が沢山起きるかもしれないけど心強いサポーターが付いてるのん!」

「心強いって何?というか世界ってどういう事?嫌々(いやいや)いや、全然意味分からないし安心出来ないんだけど!」


頭がパニックになる。


ふぅ…


一旦、冷静になろう。

俺は光の能力を使えるようになったと…

それであの勾玉の扉の向こうの世界にこれから行かされると。

後は心強いサポーターがいると。

いっや、意味分からん!!

向こうの世界に何がいるの!?


うずくまって頭を抱えた。


「双葉、分かるのん。楽しみなんだのん?」

「いや、何処がだよっ!!」

「光の神力使ってみたら分かるのん。」


全く、話が噛み合わねぇー!


「でも行くしかないもんな?」

「そうだのん!」


もう選択肢が行くしかない事により腹を(くく)った。


「よしっ!!」


パンッパンッ!


頬を思いっきり2回叩いた。


「だったら、どうやったら光の能力が使えるか教えてよ?」

「想像力だのん。」

「想像力だけ?」

「そうだのん。」


想像力か…

やっぱり光と言えば眩しいよな…


さっきの箱を開けた時の様な光を想像してみる。

すると、辺りがパッと光で一瞬白くなって見えなくなった。


うっ!


これは俺も眩しくなるな。

使えないな…


でも使える事は分かった。


「使える事は分かったけど、心強いサポーターは何処にいるの?」

「向こうの世界に行けばその神具の欠片が教えてくれるのん。」

「これが?」


神具の欠片を注視する。


まぁ、光の能力で何とかするしかないしあるだけマシだと思えば何とかなるか。


「じゃあ、こんちゃん行ってみるから!」

「頑張ってのん!また会おうのん!」


そうして、俺は勾玉模様の扉を開けた。



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