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第229話 突入までの段取りの確認

「どうせ島田だ。アイツは死なねえ。つまり……」


 予想通りいかにもかなめらしい言葉が出てきたので誠は苦笑いを浮かべた。


「実際に手術が始まるまで待とう。そこに踏み込む。メスが刺さっている島田准尉は死なないから別に配慮する必要はない。肝心なのは執刀しているクレメンスと隣で寝ているバノン。その状況を待って踏み込めば二人とも何の言い逃れもできないよ」


 かなめとかえでの姉妹のあまりにもひどい島田への扱いにさすがに島田をいつも利用して遊んでいるアメリアでさえあきれ果てたような顔をしていた。


「確かに、そのタイミングが一番合理的です。バノンは島田准尉があの書類にサインした段階ですでに『法術犯罪者』として逮捕することが出来ます。そしてクレメンスも逮捕だけなら先月施行された『法術師保護法』で可能になります。その後、担当は千要県警になると思いますが、そこの捜査官が相当な無能でない限り、クレメンスが島田准尉が不死人であることを知っていたことと不死人の臓器を通常の人間に移植すると死に至るということを理解してこの手術を引き受けたという証言を捕れるでしょう」


 この場でもあくまで冷静にリンは事態をそう分析した。


「そうなると時間があるな。島田は今病院の窓口を入ったところだ。臓器移植の準備となるとそれなりの時間が必要になるはずだ」


 そう指摘するカウラにかなめは皮肉めいた笑みを浮かべる。


「おいおいおい、連中は島田を死んで当然の崖から突き落として本当に不死人かどうか確かめたような武闘派だぜ?アイツ等に島田への配慮なんてことはおつむの片隅にも有りはしねえよ。見えないところに行ったら不死人については知り尽くしているクレメンスの指定の薬物でも嗅がせて島田を強引に眠らせて手術室に運びそのまま腑分けと言うわけだ。30分もかからずにアタシ等の突入だ。気合い入れとけよ!特に神前!オメエは血を見ても吐くとか言うなよな!オメエは吐くこととアレがギネス級なの以外は取り得はねえがここで吐いたらまずオメエから射殺する!」


 かなめはいつもの口調で誠を怒鳴りつけた。


「大丈夫ですよ。夏合宿の時だって顔面から流血してた菰田先輩を見ても僕は吐かなかったじゃないですか。それより30分。この病院には臓器移植の施設は三つあってどれも『神聖聖書教会』が押さえてますよ。どれを彼等は使うか限定した方がいいんじゃないですか?」


 誠は照れ笑いを浮かべつつ周りの女性陣を見回した。


「それならもう決まっています。連絡では一番奥の施設にバノンは搬送されたとのことです。恐らくそこで行われます。ですので私達にできるのはその時を待つだけ……もう彼等は袋の鼠です」


 はっきりとそう言うリンに誠は感心したように笑顔を浮かべた。その笑顔に普段は無表情のリンも楽し気な笑みを浮かべてそれに返した。

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