第215話 『教団』と『クレーム魔のヤンキー』との接触
「それでだ……島田。テメエにはこの電話番号に電話を入れてもらう……」
かなめは島田のズボンのポケットから携帯端末を取り出すとすぐに電話番号を入力した。その様子を島田はおびえた様子で見守っていた。かえでもまた笑顔でその様子を見守っている。
「電話ですか?あのなんたら教会宛ですか?俺がいきなり電話をしても……向こうも何のことか分からないんじゃないですか?ここはやっぱり向こうから連絡が来るのを待って……そこを捕まえるとか……そう言う方向で何とかなりませんかね?」
いつもの『喧嘩無敵』のヤンキーの風格はどこへやら、怯え切った様子の島田はかなめから渡された携帯端末を手にかなめを恐る恐る見つめた。
かなめは銃を弄びながらタバコを取り出して火をつけていかにも『女王様』らしいサディスティックな笑みを島田に投げるだけで黙り込んいる。
隣ではかえでがいつ島田が電話を始めてもすぐにその時の言葉を用意しているというように満足げな笑みで島田を見つめる。
二人の『特殊な部隊』最凶姉妹に挟まれて島田は助けを求めるように誠達に目をやった。
「島田君、いろんな会社にクレームの電話を入れるの好きじゃないの?その時とおんなじことよ。相手はあれだけ普通の人ならどう考えても死ぬような崖から突き落として死んでいない島田君から電話を掛けてきた。それで十分事実の確定的な証拠がとれる。まあ、今日の試合の最中も『神聖聖書教会』の連中は球場の隣に信者を配置してこっちを監視してたみたいだからそんなことは知ってるんだけどね。それで島田君はいつも通りどうしてくれるんだ!金を出せ!うちは警察なんだ!と畳みかければ相手もそれなりに事情を把握している人間を出してくれるでしょうから……あとはかえでちゃんとリンちゃんの指示通りにバノンが指定した場所を聞き出せばそれで終わり。簡単な事でしょ?」
助けてくれると信じていたアメリアまでも平然と自分を見捨てるようなことを言うので島田は仕方なく携帯端末で『神聖聖書教会』の東和本部の布教窓口に電話を入れた。
「本当に助けてくれるんでしょうね?見殺しなんて御免ですからね!」
そう泣き言を言う島田を慰めるものは誰もいない。
「安心してください、不死人には麻酔が効きにくいことは執刀医も知っているはずですから途中で島田准尉の気が変わったことを考えて強力な催眠ガスによる通常の人間なら即死するような強力な麻酔を施しますから。島田准尉が目覚めた時には事件は全て終わっています」
リンの言葉を聞いて誠はそれは全然島田の質問に答えたものでは無いと思って苦笑いを浮かべた。




