第198話 島田の謎の連絡手段
全員が着替えを終えると、ばんの折りたたまれた座席を立てて誠、かなめ、カウラ、アメリア、かえで、リンの6人は座席についた。
運転をするのはリン。助手席にはすっかり捜査主任気取りのかなめが腕を組んで偉そうに座っている。
誠は一番後ろの席でかえでとカウラに挟まれるようにして座っていた。余裕の表情で車外を眺めているかえでに対して、カウラは誠には笑顔をかえでには敵意をむき出しにした顔を向けながら誠の手をしっかりと握りしめていた。
「カウラさん……ちょっと顔が近いんですけど……」
カウラの圧を露骨に受けて引き気味の誠は思わずそう言った。このことで自分の露骨な態度に気付いたカウラは手を放しそのまま姿勢を正して正面を見つめる。
「いいなあ、誠ちゃんの隣の席。私もそっちに座れば良かったわ。三列シートの真ん中で一人ぼっち。なんだか寂しいわよねえ……それよりかなめちゃん。島田君の携帯に『神聖聖書教会』からの連絡はまだ無いの?」
後ろの三人をわざとらしいオーバーアクションで振り向いて嫌味を言った後、アメリアは助手席のかなめに向けてそう言った。
「ああ、ねえな。しかし、アイツの情報管理はどうなってんだ?ひっきりなしに迷惑メールや嫌がらせのメールやアイツの昔の族仲間のメールとかが送られてきてるぞ。たまにサラや整備班の業務のメールまで混じってるんだ。どうやってあの馬鹿はそれを管理してるんだ?アイツの携帯のアプリをチェックしてみたがそんな管理アプリなんてアイツ入れてねえぞ。野生の勘か?アイツの脳はどういう構造してるんだよ。一遍、頭を勝ち割って中の構造を調べてみたいくらいだ」
サングラスを弄りながらかなめは呆れた様子でそう言った。
「ああ、島田先輩はお気に入り登録したメール以外は見てないみたいですよ。僕もメールアドレスの交換をするときにそう言われましたから」
誠はかなめの言葉にそう言って助言をしたつもりだったがそのことがかなめの怒りに火をつけることになった。
「ああ?つまり、アタシ等のメールはアイツにとっては迷惑メールなんだな?確かにアイツにメールをしても返信が帰ってきたことは一度もねえ!どうせ、アタシが送った一斉送信メールをお気に入り登録しているサラから転送してもらってる訳だ……」
確かに島田ならそんなこともあり得る。誠はそう思うとつい吹き出してしまった。
「でも、それならば島田准尉はどうやって車を売る相手と連絡を取ったりしているんだろうか?当然、その相手はお気に入り登録された人物ではないはずだ。野生の勘?いくら彼が野蛮人で野生動物に限りなく近い存在だとしてもそんな不合理なもので彼の目的である金銭を得るというのはあまりに効率が悪すぎる……彼は馬鹿なのか?」
思わずそう言ったかえでの言葉に車内の一同は島田は馬鹿であるということに同意するとともに、島田がどうやって知らない人物からの新規のメールに反応しているのかが分からなくなっていた。




