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第190話 島田は自ら死(島田は死なない)を選ぶとアメリアは言った

「分かって無いわねえ……かなめちゃんも、カウラちゃんも。そして、たぶんかえでちゃんもリンちゃんも島田君の事を何もわかってない。……誠ちゃんなら分かるわよね?島田君は自分から勝手にその仕事を抜け出してバノンの所に行く……そんな風にバノンが仕向けるなんて簡単にできる。かなめちゃんとカウラちゃんはもう2年も島田君のこと見てるんでしょ?そんぐらいわからないと……」


 それまで誠の肩をもむことに終始していたアメリアは立ち上がるといかにも嬉しそうにかえでとリンを見つめた。


「しかし、島田准尉は常に隊員の監視下にあるということなんだよ。確かに彼は身勝手で横暴で野蛮で良いところなど一つもない人間だが人望だけはある。そんな彼の勝手な行動を部下達が捨て置くものだろうか?それにバノンが島田准尉を連れ出すことが簡単……いや、彼自身がバノンの所に行くと言ったね?どういうことだろうか?」


 かえではまるで予想がつかないという顔で得意げなアメリアを見上げた。


「教えて欲しい?凄ーく簡単で、たぶん誠ちゃんもそれなら島田君はホイホイバノンの指定された場所に無理をしてでも向かうと分かってるわよ。それで……それを教える条件なんだけど……これはランちゃんの許可も必要になるからランちゃん?事件解決のために三人の任務の変更をお願いします!」


 急に身をひるがえしたアメリアはそう言ってランに向けて敬礼した。


「アメリア……そんなにまでして神前を自分の物にしてーのか?何度も言ってるだろ?神前をオメー等みたいな馬鹿女に染め上げて一人前の馬鹿にしてーとはアタシは思っちゃいねーんだ。でもまあ、島田は……アイツは救いようのねえ馬鹿だからな。確かにアメリアの考えている手段を取ればどんな手を使ってもバノンの所に向かうに違いねーや。いーぜ、好きにやんな……日野も渡辺も島田の馬鹿さ加減を知るいい機会だ。あの馬鹿が自分の機体を弄ることになると考えると嫌な気分になるのは間違いねーがな」


 ランは諦めたようにそう言うと将棋盤に将棋の駒を並べて誠達に完全に関心を失ったような態度を取り始めた。


「島田准尉が馬鹿……なのは前から知っていましたが、どんな魔法を使うとあの馬鹿がほぼ自殺行為……と言うか彼は不死人なので死なないのですが……に出るというのでしょうか?」


 そのやり取りを見ていたリンも不思議そうにアメリアの顔を見上げた。


「そうよねえ、かえでちゃんも、リンちゃんも島田君みたいな苦労とは無縁に生きてきた人だものね。まあ、簡単よ……島田君は誰にでも簡単に言うことを利かせる方法がある。ヒントとしては、私やカウラちゃんじゃ不可能。でもかなめちゃんにすれば簡単にできる。かえでちゃんやリンちゃんもこの方法さえ覚えれば島田君はそれこそなんでも言うことを聞いてくれるようになるわよ!すごっく便利な魔法!」


 得意げに語るアメリアにかえではげんなりした顔をした。


「あの粗末なものしか持たない男に言うことを聞いてもらっても僕はちっともうれしくないんだが……」


 かえでのその言葉に卑猥な響きを感じて誠はいかにもかえでらしいとあきれ果てた。

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