第177話 嵯峨の逆援助交際の相手……それは女弁護士
嵯峨は明らかに図星をつかれたように驚いた顔をした後、気を落ち着かせるためにタバコに火をつけた。
「まあ……似たようなもん……と言うか俺は女と子供は殺さない主義で、当然ひどい目を合わせる気は無いんだな。まあ、どちらにもひどい目に遭ってきたのはうんざりするほどあるけどそう言うことは俺はしない……その二人ね……俺に恩を返したいんだって。それで、二人とも俺がお金に困ってることは知ってるからお金をくれるの。でも目的は俺だから。これって純愛だよね?たまたまお金が発生しているだけであって……」
言い訳を言いながらタバコを吸う嵯峨の手が恐怖で震えていた。
「相手は誰だ?それに恩?だったらアタシもオメーには恩があるから……でもオメーが望むような展開にもならねーし、金もやらねー」
ランはきっぱりとそう言って軽蔑の視線で嵯峨を見つめた。
「相手ね……たぶん二人とも茜の凄く身近な人物。というか、俺って今でも弁護士事務所の所長でもあるじゃん?嵯峨弁護士事務所。所属は俺と、茜と……それと……言わなきゃダメ?やっぱり」
明らかにこの場を言い逃れようとする気満々の嵯峨にランはその幼い見た目からは考えられない鋭い眼光を向けてくる。
「分かったよ……その事務所を今切り盛りしてる時美ちゃん。フルネームは平木時美。今は彼女が俺の弁護士事務所で動いてくれてる唯一の弁護士だ……茜とは一緒に司法試験の勉強をした子でね……まあ、茜は十四歳で一発合格したけど、時美ちゃんは結構できるなとは思ってたけど三回落ちた。でも、今はちゃんと弁護士をしている。そしてその事務所の事務員の村上ちゃん。俺好みの熟女で俺が熟女専門店に通ってた時に関係を持っちゃって……そのままずるずると今日まで……」
もう逃げられないと悟った嵯峨は仕方が無いというようにランに白状した。
「なるほどねー、オメーの弁護士事務所は吉原にあるからな。あそこの相談に来るねーちゃん達は金を持ってる。だから、金払いが良いからその時美とか言う女も村上とか言う女も金には苦労してねー。そしてオメーはその二人と関係を持つ見返りに金を貰ってると……そりゃあ茜もキレるわな」
あきれ果てたランのため息交じりの言葉に嵯峨は急に真面目な顔で口を開いた。
「いや、それだけじゃないよ。時美ちゃんと月島屋の女将春子さんはお友達だから会う時は四人で会ってる。な?純愛だろ?」
「その何処に『純愛』と言う言葉の入り込む余地が有るんだ!ただの複数人で入り乱れての変態行為の自慢が何になるんだ!」
嵯峨の普通でない愛の感覚にブチ切れたランはそう言うと隊長の机を大きくたたいて嵯峨を怒鳴りつけた。




