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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 不死人と謎の教団  作者: 橋本 直
第三十六章 『東和共和国』の隠された過去
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第154話 不都合な人間捨て場『遼州』の反乱

「まったくアンタの言う通りだ。もし相対性理論の矛盾の発見とそれを利用した亜空間飛行による星間移動が可能にならなければ地球人は当の昔に滅亡していただろうな。しかし、事実はそうなっちゃいないな。連中は星間移動手段を開発し、俺達が憎悪の塊に育て上げた『超富裕層』の支配階級は大衆の視線を宇宙に向けてとりあえず頻発する核戦争の数を減らすことに成功しちまった。そうして、連中の『大宇宙フロンティア時代』なあに、ようするに支配階層に都合の悪い人間を捨てる場所を探す行為を始めた訳だ。そして、その最初のカモになったのがこの遼州だった」


 田代はそう言うと店を見回し古びた掛け時計で時間を確認した後、そのまま視線をかなめに向けた。


「確かに、この遼州に住む元地球人達は地球を現在支配している人間からすると不都合な思想を持つ人間が多いな。外惑星のロシアや東欧出身の共産主義者。ゲルパルトに住む西ヨーロッパ出身の白人至上主義者。そして二度の極東核戦争でも殺しきることが出来なかった中華系の人間は遼北、韓国系はハンミン、日系は甲武を建国した。そして女性への人権弾圧の末、人口が増えすぎたイスラム圏は西モスレムを建国した……地球圏の支配階層にとっては自分の身近にあまりいて欲しくない人間達をこの星に捨て去ったわけだ」


 カウラはかなめと田代の話を理解してこの遼州圏の国際情勢がいかなる糸で作られたものであることを理解した。


「まあ、それもそうだが遼州には地球圏の人間にはもう一つの価値があった。それが遼大陸……」


 そう言うと田代の口元に歪んだ笑みが浮かんだ。


「あの国の『金』か。しかも、それを採掘してくれる無償で働く奴隷付き……でも、そんなことをしてあそこまで地球圏の支配に置かれれば東和の立場は無くなるぞ……それにそもそも捨てた元地球人には元の地球に帰って欲しくないと地球に住む連中は考えているんだから……そこでオメエの語学力が生きた訳か……東和の『武器輸出三原則』を有名無実化しての遼州独立戦争での反地球勢力への武器輸出。そして、その鎮圧のためにやって来た地球の軍隊に対する各種の工作活動……」


 非正規部隊出身のかなめにとっては当たり前すぎる言葉に田代は大きくうなずいた。


「ああ、俺は英語が出来るからな。しかも俺達遼州人と地球人は見た目だけでは区別することができない。そいつが慣れた英語で世間話をしてくるんだ。俺が地球の兵隊の握ってる情報を聞き出そうとしている事なんて思いもせずにしゃべることしゃべること……おかげで地球軍の配置や作戦目的は反地球軍には筒抜けなんだ。装備は動くことだけが自慢のカラシニコフとそれを補助するRPG7が主力であとは地球軍から鹵獲した機動兵器しか持たない反地球勢力のゲリラ、後の遼帝国軍も負ける方がどうかしてる」


 そう言って田代は自分の功績を誇るかのような笑みを浮かべた。

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