表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 不死人と謎の教団  作者: 橋本 直
第二十九章 『関白』捜査官、捜査の鍵と出会う
130/232

第130話 現地協力者を確保する元非正規部隊員の手口

「それは違うな。連中は、ここらへんでしばらく俺達みたいなのの相手をして金が出来ると吉原の風俗店に入る。入店数か月は俺達男が一生かけてもお目にかかれないような金を手にして遊んで暮らせるんだ。そしてしばらく金をため込んだらその店をドロン。そして、この国中をぐるりと回り、金が無くなったらまたこの街に舞い戻る。それをこの400年間繰り返している。俺もね、時々どうしてもしつこい女と寝てそんな話を聞くことも何度かあった……この国の不死人の男は地獄しか見られねえが、女は一瞬だが天国を見られる。死ぬ男と女とは逆の関係なんだ……面白いだろ?」


 男はそう言いながら焼酎を煽り、そのまま店を出て行こうとした。


 かなめはポケットを取り出し、二百円カウンターに置いた。


「ちょっとした気まぐれだ。アタシが話をしたこの街の住人の中じゃアンタの話が一番おもしれえや。聞こうじゃねえか、その続きの話をな」


 そんなかなめの態度に一瞬不快そうな顔をした男だが、酒に対する誘惑に負けてそのままカウンタに戻ると店の親父から少輔のグラスを受け取った。


「へえ、この街の外の世界にも俺達に関心を持つ人間がいるとはねえ……俺達を何をしても壊れない安価な建設機械としか見ていない現場監督よりアンタの方がよっぽど話が分かりそうだ」


 男はそう言うと笑顔で酒をちびりと飲んだ。


「なあに、アタシはこことここよりより地獄に近い『租界』を行き来する仕事をしててね……アンタくらいモノの分かる人間なら分かるだろ……あの『租界』だ。そこでは死ぬ人間が使い捨ての安価な作業機械として生きてる……どっちも金のある人間にとって機械である事実には違いはねえがな」


 かなめの皮肉に男は満足げな笑みを浮かべて指を二本立てた。


「アンタ、軍人か?どこの軍かは知らねえが俺の知ってることをこれ以上聞きたかったらとんかつ二枚だ」


 男はそう言ってにんまりと笑った。かなめは仕方ないという表情をすると300円取り出し、カウンターに投げた。


「とんかつ二枚にイカ天。それに焼酎一杯。これなら十分話を聞いてくれるんじゃねえかな……いや、それだけじゃ足りねえか?もっとおもしれえイベントをアタシが用意してるんだが……付き合ってくれるならさらに焼酎一杯つけてやる……どうだ?」


 かなめの意外な提案に男は一瞬驚いたような顔をした後満足げにうなずいて店主の出したとんかつ二枚とイカ天の乗った皿を受け取った。


「アンタは面白い人だな……最近は酒ばかりで風呂に入ってねえ。銭湯代まで出してくれるならあんたの話に協力してやってもいいぜ」


 男の言葉にかなめは満足げにうなずいた。


「ああ、それも承知だ……しかし、そこで女を抱いてもらうことになる……しかも地球人の白人だ……どうやら女には飽きたらしいがそいつ等はお前さんには抱かれたいらしい……地球人の考えることは理解不能だな」


 かなめはそう言うとしずかにイカ天を口に放り込んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ