第117話 おいしいところを持って行く星の下に生まれた誠
「ありがとうございます……でも、そんな時は来るんでしょうか?」
誠は持ち前の弱気からそんなことを島田に口にしていた。
「来るって!誠ちゃんは何時だって一生懸命頑張っているじゃないの!そんな誠ちゃんが活躍できるときはきっとくるわよ。あの事件の時だってそうじゃないの!最後を決めたのは誠ちゃんだった。今回もきっと誠ちゃんの出番が来る……もっと自信を持っていいわよ。それじゃあパーラみたいに転職情報誌の定期購入を始めちゃうわよ!」
いつにもない強い調子でそう言うサラを見て誠はおずおずとうなずいた。
「言うなよサラ、コイツに自信を求める方が無理が有るんだ。コイツは流れ流されながらもいつの間にか結果だけはちゃんと出している。そんな星の下に生まれた男なんだ。俺は神前みたいな奴にはこれまで会ったことはねえが、はたから見てるとそれはそれで面白いってことで納得してる。良いじゃねえかそんなレアスキルは俺も欲しいくらいだ。何なら俺の不老不死と交換しねえか?」
バイクの部品を棚に戻した島田はそう言ってまた布団の上に戻り胡坐をかいた。
「そう言う星の下に生まれた……それって褒めてます?先輩の僕の褒め方って何時も素直には喜べないんですけど」
誠は不審そうな視線を島田に送った。
「褒めてんだよ。普通はそんな生き方したくったってできねえぜ。まったく羨ましいくらいだ。『モテない宇宙人』である遼州人の中でも俺よりモテるのは技術部のいけすかねえコンピュータオタクの元ホストの士官共だけだと思っていたが、オメエは今は連中よりモテてる。その状況が『モテない宇宙人』である遼州人にとって褒め要素以外の何なんだよ」
島田は笑いながら誠を見上げてそう言った。
「僕の場合はモテているというよりも単におもちゃにされているだけのような気がするんですけど……」
日々女性からの扱いが雑になっているような気がして誠はそう口にしていた。
「良いじゃねえか。なんならあの女から徹底的に嫌われることにおいては右に出るもののいねえ菰田あたりに聞いてみな?まあ、そんな話題を出したとたんにオメエの給料明細の金額が一桁減ってるなんてことも考えられるがな」
島田は隊の嫌われ者であり、自分の犬猿の仲で、特に女子には酷い言われようをしている管理部の菰田邦弘主計曹長の名を上げてそう言った。
「まあ、そうなんですけど……僕はあんなに性格悪くはありませんよ。ケチかどうかと言われると難しいところですが」
誠の正直な菰田評に島田は満足げな笑みを浮かべた。




