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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 不死人と謎の教団  作者: 橋本 直
第二十五章 不死人の押し付けられた人生
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第107話 日雇い労働者の街の奇妙なとんかつ

「叔父貴……実はここの生まれなんじゃねえのか?どいつもこいつもお蔦が来る前の叔父貴みたいなツラしてやがる。金が入ってすることも酒を飲むのとギャンブルをやるのとまあ……叔父貴は立ちんぼには手を出さなかったな」


 かなめはそう言いながら勤務中だというのに三谷の立ち飲み屋で焼酎を飲んでいた。その様子をあきれた様子で素面のカウラが見つめている。


「アメリアはここで待っていろと言ったから待っているだけだ。この店は目印だ。島田や隊長じゃないんだから勤務中から酒を飲むんじゃない。隊長だって最近は車で通勤しているからノンアルコールビールを飲むようになったぞ」


 明らかに不機嫌そうにそう言いながらもカウラは自分を見つめて来るかなめの言うようにまるで嵯峨を思わせる年齢25歳前後の仕事にあぶれた日雇い労働者の好奇の視線に耐えていた。


 誰もが疲れ果て、目には光は無く、ただ永遠に続く日々を絶望だけで過ごしてきたことだけがその薄汚れた季節の割に薄すぎるシャツや破れた作業ズボンから見て取れた。


「なあに、アタシはここら辺はなんどか来たことがある。主にバックパッカーに偽装した地球圏の非正規部隊の工作員を暗殺する目的でだがな。大体のここら辺の簡易宿泊所の構造なんてもんはアタシの電子の頭脳には記憶済みなんだ。それを何だってあのこの辺にまるで興味が無かったアメリアが調べて回るってことになるんだ?まったくこんな状況じゃ飲まずにやってられるかよ」


 かなめはとんかつと言うことになっているが、何度噛みしめても豚肉の味がしない正体不明の肉が使われた揚げ物を肴に焼酎を煽った。


「ごめんね!待たせた?」


 いつものように思いもかけないところからアメリアは現れる。今回も店の店員の隣のカウンター越しにかなめの前にアメリアは顔を出した。


「オメエは何時からこの店の店員になったんだ?いっそのこと転職するか?仕事はきついし給料は安いぞ」


 もうアメリアの突拍子もない行動には慣れ切っているかなめは何の驚きも無いというようにとんかつらしい揚げ物の衣を口に押し込んだ。


「で、どうだったんだ?これまでの聞き込みでは片言の日本語を話す白人の女三人が数週間に一度のペースでこの付近で仕事にあぶれた人間の中でも顔がそれなりの男を狙って声をかけて回っているという話だが……」


 カウラもアメリアの珍奇行動にはなじんできているので驚くことなくかなめの隣に立って突然カウンター内に乱入してきた長身の珍しい髪の色をしたヨーロッパ系の要は顔立ちの女性に驚いて絶句している店主を無視してそう尋ねた。


「ええ、間違いなくいるみたいよ。でも、やっぱりあの女達はお金持ちみたいね。寝泊りはここではしていないみたい。それも昼間の数時間と言う治安のあまりよくないこの場所で活動するには最適な時間に限って行動しているみたいだわ。かなめちゃん好みの銃撃戦にはなりそうにないわよ」


 アメリアはそう言うとあまりに自分への反応が薄かったことに反省してそのままカウンターを回ってかなめ達の隣まで来た。

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