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第106話 永遠に死なない永遠の絶対的指導者が支配することになる地球

「かえで様、とりあえずこちらでそのデマの傾向をまとめてみたのですが、やはり不死人の肉体の一部を取り込むというものが圧倒的に多いですね。特に肝臓移植と言うのがそのデマの30パーセントを占めています。この傾向は参考になるかと」


 手元の端末でかえでの備え付けの端末から落としたデータをAIで分析していたリンがそうつぶやいた。


「なるほどねえ……ある程度予想のできていたことだがやはりそう言う結論が出たか……もし、バノンが地球人が不死人になる可能性についてデマ程度のレベルの情報しか知らない……まあ、バノンが男性である以上彼は不死人になることが出来ないのだから彼はデマ以上の情報を持っていないと考えるのが自然だが……そうすると恐らく臓器移植が目的だと考えるのが自然だろう」


 かえではそう言うと端末から目を離し外の景色を眺めた。外にはここ5年ほどの好景気で次々とたてられたマンション群が目に入る。


 そんなかえでの視界にもその話題の不死人の一人であるランの姿もあった。


「地球人の金持ちが不死人になって何をしてーんだ?これ以上貧乏人を虐めて何が楽しーんだ?それより同じ金持ち全員が不死人になって永遠に地球の政治と経済を支配し続けるようになれば今でさえ自分の利益の事しか考えねーそいつ等はより自分の事しか考えなくなるぞ。まったく世も末だな」


 徹底した地球人嫌いで知られるランは詰将棋を続けながらそんなことをつぶやいた。


「確かにクバルカ中佐の言うことは一理あるね。これまで地球人は死ぬことで世代交代を繰り返して時代を変革してきた。21世紀以降、経済と政治を完全に支配する超富裕層が完全に固定されて階層間の異動がほぼゼロになったと言っても寿命と言う壁でそこにはまだ流動性があった。地球人が不死を手に入れればそれすら消失する……同じ個人が永遠に経済と政治を握り続ける。母を見ていてよく分かるが不死人も普通の人間と同じように年を重ねると頑固になるものだよ。自分の間違いを認めなくなる。まあ、不死人が珍しい存在ではない遼州圏では不死人同士でそれを指摘しあうことが出来るが地球ではそんなことは不可能だ。不死を手に入れた絶対者はより絶対っ的なものになろうと苛烈な支配と他者への攻撃を激しく行うことになるだろう……不死人になれるのが女性に限られている……しかも子供が埋める年齢の女性限定と言うことが唯一の救いだね」


 かえではどこか達観した調子でそうつぶやくと端末の電源を落とした。


「今日の調査はここまでにしよう。明日はなぜバノンが島田准尉に目を付けたのか。そして島田准尉をどうするつもりなのかを考えることにしよう。隊に島田准尉が居る限り彼は安全だ……寮までの送り迎えはどうせあの人が良いラビロフ大尉がやっているんだろ?彼女もいい加減そんなことは断ってしまえばいいのに」


 そう言いながら笑うかえでを見て誠はまた貧乏くじを引かされているパーラに同情していた。

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