第105話 数多くある不死人のデマと不死人の日常
「なるほど、3ページ目でようやく正解である不死人との性交と言うものが出てきたが……同時に男性も不死人になることが可能と書いてある。恐らくこの情報は軍から出たものではなく適当に描いたものがたまたま真実だったというところかな?」
画面を切り替えながらかえではそう言ってほほ笑んだ。
「他にも不死人の近くで数年過ごす……そんなことならば我が隊は全員不死人になっています。不死人と一緒に生活する。それならかえで様がオーナーを務める寮は全員不死人になってしまいます。酷いのになると東和や遼に行けば誰でも不死人になれる……まあ、よくこれだけ出鱈目を考えられるものですね。地球人の不老不死への情熱には感心させられます」
リンもまたかえでと同じく半分呆れながら画面を見つめていた。
「しかし、この何度も出て来る『不死人の生き胆を食べる』と言うのは……いかにもオカルト的でいわゆる『八尾比丘尼』伝説にも通じるものがあるね。これは意外とオカルトと親和性の高い宗教家の好みそうなデマだね」
「島田先輩の『生き胆』を食べる……かえでさん『生き胆』ってなんです?」
オカルトとは無縁な理系の科学信奉者である誠はかえでとリンにたわいもなくそう尋ねた。
「『生き胆』ね、いわゆる肝臓だよ。彼はヘビースモーカーな上に毎日のように大量の飲酒を行っている。バイオハザード以前にそもそも普通の人間の生体肝移植にすら向いていないような気がするんだけどね」
かえではそう言いながら誠の顔を見上げて微笑んだ。
「確かにあの人不死人じゃ無ければすぐに肝臓をおかしくしそうな生活してますからね。さらに偏食ですし、食べたり食べなかったりが激しいし。やたらと炭水化物ばかり食べるし……そもそもあんなに滅茶苦茶な食生活をしていてあんなに筋肉質なのが僕には信じられませんよ」
誠はつられてそう言っていた。
「不死人はその体力が最高潮であるときの状態を維持し続けることが多い。島田君もそうだが、義父上……誠君。君は隊長が運動をしているところを見たことがあるかな?」
かえでにそう指摘されて誠も色々考えてみた。
ランが嵯峨の滅茶苦茶にキレてしない片手にランニングを強制されることがたまにはあるがそれ以外の運動らしい運動を嵯峨がしているところは誠は一度も見たことが無かった。
それでも嵯峨はどう見ても筋肉質で引き締まった体形をしており、何より三人の愛人がいてもまだ足りないと平然と言う驚異の体力の持主である。
誠はその事だけはランニングと筋トレで身体を維持しているので嵯峨や島田を羨ましく思った。




