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第五話「新たな入口」
「そこを右に」
「ここをですか?」
「そうだ」
静まりかえる大型ショッピングモールにつながる坂道で
黒いクラウンが停車した。
「少し歩くぞ、我についてこい」
この先を車で引き返すのが大変だからな。
「どこにいくんですか」
「ついてこればわかる」
我は部下をひきつれ、大きな駐車場の片隅にある
車体が地面すれすれのトラックに近づいた。
「ここが、技術開発部の入口だ」
「ここがですか?」
お主が首をかしげるのもわかるが、
実際のケースとして、様々な駐車所の片隅に止まっているトラックのいくつかは
地獄から来たものが管理する施設の入り口として起用されておる。
ここもその一つだ。
「それではいくぞ」
我がトラックの側面にある電子パネルを操作すると
トラックが変形して、エレベーターになった。
あれほど、勝手にいじるなと言っておいたはずなのだが。
やはり、やつらにまかせるとかいったのが失言だったか。
「どうされました」
オーバーリアクションだったか、変に心配させてしまったな。
「大丈夫だ。早くいこうか」
そうして、我らは技術開発部の本拠地に乗り込んだ。




