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第四十話「指し違い」
「お嬢様、お口が汚れております」
「血嬢様のお手を煩わせるわけには…」
「大丈夫ですよ」
3分前から、メイドを介抱する主をずっと見せつけられている
我とひとみは言葉にならぬ気持ちのまま椅子に座っておった。
「私、介抱されるメイドは初めてみましたよ」
「おそらくアニメでも見ることはないだろうな」
何事もある程度、テンプレートのようなものがあるからな。
それが逆転しているときも違和感はやはり受け入れがたいところだ。
「お嬢様、悪魔様がお話をしたいとおっしゃられていましたよ」
「……」
小森は我の方を見てから、血嬢を見て、また我を見た。
そして、ゆっくりとゆっくりと歩みをこちらに進めてきた。
「悪魔統轄長、逃げ出してしまい申し訳ありません」
「別に気にしておらん。」
「…そうですか」
別に気にしておらぬ。いつものことだしな。
小森が引きこもって、なかなか表に顔を出さぬのは。
「……」
「…話はそこのファミレスでするとしよう」
我は、近くにあった店に指を差した…
「私はファミレスじゃないですよ、悪魔さん」
つもりだったのだが。
「……」
はぁ(ため息)
「お主を指しておるわけがないだろ、ひとみ」
我は呆れながら、血嬢と小森を連れ、
向かいの通りのファミレスに歩みを進めた。




