39/49
第三十九話「逆逆」
「悪魔さん、こっちです」
リムジンからゆっくりと降りた我と血嬢に対し、
ひとみが全力で手をふっておった。
「そうせかすな、待っておれ」
「了解です」
まだ、腰が痛いからな。
ゆっくり、行かせてくれ。
「小森、大丈夫か」
「……」
返事がないな。泡でも吹いて倒れておったのか?
それはないと思うが……本当に大丈夫か?
「お嬢様、お迎えに参りましたよ」
「なぜ、血嬢様がここに」
隣に猛禽類が降りてきた小動物のように飛び起きた小森は、
深々と血嬢に頭を下げた。
「血嬢様、大変申し訳ありません。」
「いいのですよ、お嬢様。いつものことですから」
互いに深々とかしこまって、会話しておるのを見たひとみが、
我にゆったりと寄って来た。
「悪魔さん、あれどういう関係なんですか」
「少し、複雑なのだが、メイド服を着ている方が主人で、小森はその使用人だ」
「……」
まあ、言いたいことはわかるが…
「逆にしか見えませんね」
「……」
なんとなくだが、お主は口に出す気がしておった。
まあ、別に問題はないのだがな。




