第26話「過去」
管理人…いや、臓器の密売人と行った方がいいだろうか。
「ひとつ聞きたいのだが、お主たちはなぜそこまでするのだ?」
「簡単ですよ、要望を満たすためです。」
「そうか」
ここまで何人かの人間を見てきたが、
我は別に悪い印象を抱いたりしておらぬ。
だが、なぜ同族を傷つける。
それが禁忌だと知らぬというのか。
己の欲望のためだけに…
「おしゃべりはそろそろやめにして、」
パチ、パチ。
「換金タイムにいたしましょう」
キライだ、キライだ。
他者を大切にできない人間という存在自体が。
そして、人間の血を引く我という存在が。
こやつらと我が等しいということ自体が
なぜ、我はまだ生きておるのだ。
あの日、母を手にかけた我が。
なぜ、我は縛りを破った。
「観念いたしましたか」
……
「やはり、言葉はいらぬな」
教えろ。お主たちは知っているのだろ。
我は、懐から武器を静かに取り出す。
鉛を相手の体にめがけて、高速で撃ち込むもの。
やはり、地獄を経由してもなお、ずっとそこにいたのだな。
我は相手に銃口を向けた。
3,2,1
「ちょっと、待ってくださいよ」
ゼロ。
バン。
静かに滴る自身の血に、我は嫌悪感を覚える。
なんだ、この懐かしい感覚は…
「教えてはくれませんか、私がなぜ殺さなければならなかったか」
「だれか、教えてくれない…か」
この日の我は、どこか遠い昔の母に見せた幼子のようだった。
「……やっぱり」
「キライだ」
そういって、我はもう一発自身に銃弾を埋め込んだ。




