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第27話「意味」
温かな日の光と
クリームを型に流し込むときのような、なめらかな風を
全身で受けながら、我は現実を味わっていた。
「忘れておったな」
あまり過去を顧みる方ではないのだがな。
確かあの後、ヤガラスのおかげで窮地を脱したはずだ。
詳細までは覚えておらぬが、
等実の手回しのおかげでな。
「人間がスキか、キライか」
「……」
スキか、キライの二択で判断できるほど、
簡単なことではないのだがな。
いったい、どうするのが良いのだろうな?
「我は…」
「お疲れ様です。悪魔さん」
「……」
新田芽 ひとみ。
お主は少しはわきまえを知るべきだと我は思うぞ。
「なぜ、お主はそんなに元気なんだ?」
「???」
きょとんとした顔をしておるな。
まあ、お主くらい無邪気な方がいいかもしれぬがな。
「部下には、ちゃんと謝ったのか?」
「それはもうしっかりと、地面と結婚するかのごとく頑張って謝罪しました。」
「そこまでは、必要ないと思うが」
新田芽は人間ではあるが、あまり悪いやつではない。
まあ、人間はキライ、キライでしかたないが、
「……」
もう少し知るべきなのかもしれないな、
自己を知るためにも、
あの日の意味を知るためにも。
我はもっと…
いや、やっぱりキライだ。




