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第話二十三「おにぎり」
「美味しいか?」
「美」
「そうか…」
こやつ、会話しにくいな。
まあ、なんとなく言いたいことがわかりはするが…
我はさっきコンビニ買った
税込み286円「パリパリ味付海苔 炭火トロサーモンといくらの親子盛りおにぎり」を
こやつに与えた。
どうやら、ここ数日何も食べておらなかったようだ。
人間界の縛りの影響なのだろうな…
まあ、異界に留まる以上、縛りにはしっかり従わなくてはな。
「……」
「ほら、これもやろう」
「感」
おにぎり一つではさすがにひもじいだろうからな。
またまた、コンビニ買ったおにぎりだが
税込み332円「具材第一 味噌サバおにぎり」
どちらも黒いパッケージだったからな、
高貴な感じがして買ってみたが…どんな味か確かめられなかったな。
しかし、こやつのおいしそうな顔をみる限り悪くはないのだろうな。
「お主、名を何という?」
「?」
口元についた米粒を付けたまま、こやつは口を
「……」
「……」
開かなかった。
なんなのだ、こやつは
「しょうがない、名乗る名のないものなら」
我がその場を離れようとしたところ
「ウリエル」
「それが私の名」
これはのちに堕天するものの、宣告であった。




