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第話二十二「天川」
コンビニで傘を買い直した我は、
使い勝手の悪い地図をたよりに町を彷徨っておった。
「事前に多少調べたとはいえ、この地図ではどこが目的地かわからぬな」
頭の中の我が、必死に窯をかき混ぜて考えておったところ、
橋脚に描かれた落書きに目を囚われた。
「あれは…」
もしかしたら…と思い
我は、背の低い草木で覆われたゆっくりと堤防を下った。
小川のせせらぎや鳥の鳴く声がよりクリアに聞こえ、
電車が通るたびに降り注ぐさびさえも場作りの演出と
感じてしまいそうになる。
「やはり、そうか」
この印は…やつらのものか。
リングに純白の羽が三つ
やつらは、土星のリングのようなものを愛しておるからな。
このような空乏な場所を好まぬと思っておったが…
「助」
何か聞こえるな。
「助…助…助」
「何者だ?」
魂を落としたような存在が近づいてくる。
「助…」
バタン。
「……」
「おい、お主、大丈夫か?」
「……」
応答がない…気絶しておるだけのようだが、
「まあ、しょうがない…少し雨宿りとするか。」




