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第十八話「初夜」
「鍵が開いておる」
地下に続く扉に手をかけた我は、
少しばかり妙な気配を感じ取っておった。
「いつもは我が最初に来るはずなのだが…」
時刻は6時34分、
まあ、部下がたまたま先に来ただけかもしれん。
だが、念のため…
我は鞄からスマホをすっと取り出し、内部の監視カメラに接続した。
見たところ、特に問題はなさそうだ。
「我の気にしすぎか」
「今日は朝から速いな…」
階段を降りていったところ、
部下のパソコンは電源がついたまま放置されていた。
「どこにいっておる?」
机の書類がやたらと乱れておるが、
何かあったのだろうか?
「で……ぞ、で……ぞ」
「誰だ?」
声らしきものが聞こえたな。
やはり、だれか居るな。
「初めまして」
背後…
「……」
気づいたときには、我は後ろから何かを突きつけられておった。
「サプライズがお好きと聞きましたので、」
「なんのことだ、我はサプライズなど好いておらぬぞ」
我に突きつけられた凶器と思われるものが、ゆっくりと下がり…
「……」
「え、そうなんですか」
パンっと音を立てて、クラッカーが炸裂するのだった。
なんだ、この変な展開は?
ちなみに、この一幕が
我らの部署に新しく入ってきた
人間の新人との、
最悪で最良な出会いであった。




