第48話:開戦
「うわぁぁぁ~!!」
恭子ちゃんが悲鳴を上げつつ飛び起きた。あたしたちはというと、朝食のレーションを食べながらその様子を見つめた。
「どうしたんですか?」
真夕ちゃんが不思議そうに聞いてみる。
「……悪夢を見たんだ……ゴキブリ型ロボットが大量に寝ているところを襲ってきた夢を……」
あー、うん。実際にゴキブリ型ロボットが大量に来ていたら、正夢になっていたと思うよ。とは言わないでおく。たとえ悪事を働こうとしていたとしても、知らない方が本人のためであろう。酔い潰されたことに気付いてないみたいだし。
「恭子も早く朝食食べいや。じゃないと置いて行くで」
「待った待った!! 食べるから置いてかないでくれ。ゴキブリと一対一は嫌だ。せめて梓も置いて行ってくれ」
「な、なんで僕なんですか? 嫌ですよ」
「梓はスナイパーライフル持ってるから、長距離射撃で被害なくゴキブリ退治ができるだろうが!!」
「恭子さんだってキャノン砲あるじゃないですか!?」
「これじゃあ中距離しか飛ばないよ!!」
「嫌ですよ。僕もみんなと一緒に先に行きますからね」
そう言うと梓ちゃんは急いで食べる。恭子ちゃんもそれを見て慌ててレーションを取り出して、早く食べやすそうな牛丼を食べ始めた。
あたしたちはそれを傍観しつつのんびりと食べた。
「さて、みんな食べ終わったな。行くか!!」
と立ち上がり仕切るのは恭子ちゃんである。急いで食べた結果堂々の一位を獲得した。
あたしたちも立ち上がり、スカートをパタパタと叩く。
そして歩いていく。
結構歩いているが、敵に遭遇する気配がない。
「……なあ? 敵に全然合わなくない?」
佳那子ちゃんの問いに、綾乃ちゃんが顎に手を当てて考える。
「敵の生産が追い付かないほど、わたくしたちが倒したということでしょうか?」
「お~、それなら砦の奪還は楽なんじゃない?」
「砦の防衛をガチガチに固めていたりして」
「ちょっと恭子ちゃん、変なフラグ立てないでよ?」
「あ!! 敵が索敵レーダーに入りました!! 大量にいますね。こちらに向かってくる気配はありません」
それを聞いてみんなで梓ちゃんが指差した方向を見てみる。
「なんか建物あるね?」
あたしの言葉にみんなが同意して返事をする。
「あれが砦でしょうね」
話し合いをしていると、何かが飛んできた。あたしたちはそれをなんだろう? と思いつつ見ていたら、地面に着弾すると爆発した。
あたしたちはその衝撃と轟音で慌てる。
「げっ? 砲撃?」
「砦に砲撃兵器があるとは聞いてませんわ。真夕さんはナグモさんから聞いてますか?」
「い、いえ何も」
「ナグモさんが知らないということは、敵が設置したということでしょうか?」
「ここにまとまっていると、敵のいい的になっちゃうよ!! 散開しよう。連絡は通信機で!!」
「ちょっと待って下さい!! わたくしまだ通信機ができてませんわよ!?」
「えーっと、真夕ちゃんどうしよ?」
「私に振るんですか?」
「学級委員長だから適任かと思って」
「では、花鈴さんと佳那子さんが前衛チーム。梓さんと恭子さんが後衛チーム。私と綾乃さんが前衛と後衛をサポートするチームに分かれましょう!!」
「「「ラジャ!!」」」
あたしと佳那子ちゃんは最大速度を出しつつ、照準を合わせられないように蛇行して砦に接近した。




