塩と火
上総は1人残された講義室で魔法の実験を始める
まずは見た目や味で出来てるか判別のつく
水か塩化ナトリウムあたりかな
これが出来れば職場で使ってた生理食塩水が作れるな
まずは塩化ナトリウムからやるか
NaとCl(塩素)の化合物やから・・・
体内の魔力を右手に集中させていく
問題は意志の力ってやつやけど
念じたらいいんか?
ナトリウムと塩素の化合物塩化ナトリウムに変化しろ!
手のひらの上で魔力が収束するのを感じる
・・・結構魔力使うな。
手の上に白い結晶が現れる
ひとつまみ程度の量になるのにMPが50くらい減少した
結晶極少量を指につけて舐めてみる
舌先に馴染みのある塩味を感じる
「よし。理解は間違ってないみたいやな」
本を閉じ、自室に持って帰る。
「色々実験しとかなな」
テーブルの上に置かれた蝋燭の火に手を向ける
「炭素と酸素を2つ組み合わせて」
手に魔力が収束し、消費されていく
当然、視覚的には見えないが手の周りにまとわりついているのを感じる
「落ちひんと手にくっついてる?もしかして操作できるんか?」
手から二酸化炭素の玉を蝋燭の火に移動させるイメージをすると
自分の魔力から生み出された二酸化炭素の塊がイメージ通りの動きをしているのを感じた
そして到達すると同時に火がフッと消えた。
少しだけ暗くなった部屋の中で風見鶏が1人でに少しだけ回った。
「ん?・・・勝手に?」
上総が立ち上がり、少し回っては止まるを繰り返す風見鶏を持ち上げた
「壊れたか?」
上総が魔力を流し込むとこれまで通り羽が回り出した
誤作動?
風見鶏を不審に眺めていると
大きな音を立てて扉が開いた
「カズサ様!ご無事ですか!?」
血相を変えたセシルが部屋に飛び込んで来た
「セシル?どうした?」
「あれ?お一人ですか?さっき廊下でナタリアとすれ違ったのに部屋に2つの反応があったので・・・」
「暗殺かもって?」
「・・・はい。」
この城にプライバシーはないんやな。
さっきの誤作動はセシルの探知に反応して回ったんか?
「大丈夫だから。要件は?」
「これから討伐ですよ!いきましょう!」
もうそんな時間か。
「今回は装備を整えたいから2人で鍛冶屋に行ってくれないかな?」
「2人で!?・・・では、準備し直してきますね//」
セシルは頬を赤らめて部屋を出ていった。
上総は手元の風見鶏に視線を戻した。
「カラクリならこいつを上手く使えるかもな」
ナタリアを呼び、鎧を鍛冶屋に持って行ってもらうように頼み、着替える。




