表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/19

合理的殲滅

7体のゴブリンは陣形を組む様な動きをみせた。



3体はナイフを片手に後方に控えている。



残り4体もナイフを構えて上総を中心に扇状に広がり

ジリジリと距離を詰めてくる。



どいつから来る?

いや、組織的に動くなら陣形の完成を待つのはマズいな。



こっちから斬り込む!



右端のゴブリンに踏み込み、一閃。



ゴブリンはボロボロのナイフで防ごうとするが、ナイフ諸共真っ二つに切り裂かれた。



陣形を乱され、パニックになったのか前衛のゴブリン3体が突っ込んできた。



仲間殺されてブチ切れてるんか?



落ち着け!余計なことは考えるな!



剣を正眼に構え、向かってくるゴブリンを袈裟斬りにした。



続いて斬られた味方を飛び越えてきた2体目を燕返しで両断。



3体目に突きを...!!



背筋に冷たい感覚が走る



その瞬間上総は突きをやめて後ろに飛び退った。



すると先ほどまで上総の頭と胴体があった空間を2本のナイフが横切った。



あっぶね!ナイフ投げてきやがった!?



切り捨てたゴブリンのナイフを拾い上げ、前衛の一体は無視して後衛の3体に向かって走る。



後衛のゴブリンは足元の石を拾い上げて投げきた



1本しかないんやったら初手で投げんな!



投石をナイフで叩き落としながら一気に距離を詰める。



走り込んだ勢いのまま1体の首を刎ねる。



名前:   

種族:ゴブリン

クラス:

Lv.3

HP:10

MP:0

ATK:7

DEF:10

RES:20

スキル:ナイフ術Lv.1 投擲Lv.1



思った通り、コントロール良すぎたから何かあると思ったわ。



ギギッ!ギャーー!!



前衛のゴブリンが追いついて来るタイミングで投石していたゴブリンが石を手に殴りかかってくる。



ゴブリンの息のあった挟撃、対応を間違えればダメージは避けられない。

しかし、上総は反撃も回避もしない



冷静に左手に持ったナイフを投げた。



ガギン!ゴン!

...ドサッ



甲高い金属音と鈍い打撃音が同時に響き



命を失った小さな身体が力無く横たわる。



上総が投げたナイフは一手遅れてナイフを投げようとしているゴブリンの脳天に深々と突き刺さっている。



お前がナイフを最後まで温存してたのは把握してたからな。



流石は聖銀の鎧、ゴブリンのナイフや石くらいじゃノーダメやな。



スキルを奪われたゴブリンにナイフは扱えず、一撃ごとに鎧に弾かれて落としている。



それでも現実を受け入れられないのか、はたまた戦況を理解できないのか上総に意味のない攻撃を続けている。



上総は振り返りナイフを拾い上げようとしているゴブリンを斬った。



石で一心不乱に叩き続けていたゴブリンは、ようやく現実を受け入れたのか。

石を捨て逃走を図る。



上総は切り捨てたゴブリンが握るナイフを奪い取り、投げつける。



ナイフはまるで吸い寄せられるかの様にゴブリンの後頭部に刺さった。



「お見事です。カズサ様!さぁ、この調子で討伐訓練を続けましょう」



いくつかのゴブリンの集団を討伐したが、絶対に奇襲は成功しない。



戦闘中にゴブリンのナイフが頬を掠めて怪我をしてしまった。



後方でシスターを護衛していた女騎士が動揺して声を上げた。



「勇者様!血が!シスターララ!!早く回復魔法を!」



大袈裟だと宥めたが護衛騎士は真剣な表情でシスターララに再度促す。



「回復はあなたの役目でしょ。早く!」



騎士に促され、シスターララが上総に歩み寄る。



「お顔の傷を治癒させて頂きます」



無感情に告げ、上総の頬にそっと触れて回復魔法を発動する。



ガタガタのナイフで傷つけられた皮膚は千切り裂かれたように自然治癒では確実に

跡が残る様な傷であったが、シスターララの回復魔法で綺麗さっぱり治ってしまった。



これはチャンスやな〝干渉〟



名前:ララ・フロレンシオ  73.2

年齢16

クラス:聖職者

Lv.15

HP:30

MP:3568

ATK:15

DEF:30

RES:30

スキル:礼儀作法Lv.8 聖属性魔法Lv.5 精神攻撃耐性Lv.3 治癒魔法Lv.3 重力耐性Lv.2 生活魔法Lv.1



治癒魔法は回復魔法の上位互換なんやろうか?



回復魔法のレベルをカンストしたら進化するんか?



「傷は癒えました。他にどこか痛みますか?」



思考に集中していると目の前に美しい顔が覗き込んできた。



頬に触れると傷はなく、綺麗に治っていた。



「ありがとうございます。もう大丈夫です」



その言葉を聞くと、すっと立ち上がり後方に下がって行った。



先ほどの女騎士はシスターララを一瞬睨みつけた様にみえた。



歩くの遅くてイライラするのは分かるけど

いきなり訓練に連れてこられたシスターの方が可哀想やわ。



「お待たせしました。先に進みましょうか。」



ゆっくりとキャンプ予定地に向けて進行する。



ゴブリンの群れを幾つか討伐したけど、投擲持ちはおらんかったなぁ。



レアやったんかもなぁ。



そんなことを考えているうちに開けた場所に出た。



先頭で道を切り開いていた騎士がこちらを振り返った。



「シロカネ様、キャンプ予定地に到着しました。我々でキャンプの設営を行いますのでしばし休憩なさってください。」



「あなた達の方が疲れているでしょう。僕が代わりますから少し休んでください。」



「そうはいきません!これも護衛騎士の仕事ですので!」



「魔王討伐の旅に出たら僕もキャンプ設営したりしないといけないので勉強させてください」



「え?」



「...え?」



え?ってなに?なんか変なこと言ったか?



「シロカネ様、まさか魔王討伐にお一人で向かわれるおつもりですか?」



護衛騎士が恐る恐る聞いてきた。



「流石に1人では行きませんが、仲間を集めて4、5人で討伐に向かうのではないのですか?」



セシルがやれやれといった顔で口を挟む



「いいえ。カズサ様には王国騎士団、王国軍の全てを率いていただくことになっております」



...まじか。そんな大名行列みたいな魔王討伐嫌やわ。



いや、そもそも魔王討伐自体嫌やのに。せめてRPGのような旅をさせてくれ。



「そんな戦力を出してしまっては国防が危ぶまれるのでは?」



「問題ありません。王都は聖地なので魔物も魔族も攻めてきません。」



その過信はよくないのでは...?



「では、お言葉に甘えて設営はお願いします。」



「お任せください!」



ホッとした様子の護衛騎士に頷き、シスターララのもとに向かう。



「シスターララ、設営が終わるまでここで休んでいてください。僕はセシル先生と討伐に向かうので帰ってきたら回復をお願いします。」



「!? お待ちください!討伐に行かれるなら回復役も連れて行くべきです!危険ですよ!」



先程の女騎士が慌てて駆け寄ってくる。



やれやれ、なにかと目の敵にしてるなぁ。



正直効率が悪いから連れて行きたくないんよなぁ。



「セシルが付いていて、ゴブリン相手にそこまで危険があると?」



「あ、いえ...そういうわけでは...」



まぁ、ここで上司の名前出されたらなんも言われへんよな。



「セシル先生、お願いできますか?」



「もちろんです。それと、意思疎通の効率化のために先程のように呼び捨てにしましょう」



こいつ...。



「...セシル。行きましょう」



キャンプ地を中心に3時間程周囲のゴブリンを殺戮し、剣術スキルLv.4 ナイフ術Lv.6‐24/32になり、投擲もLv.4になった。



レベルも順当に上がっている。この調子でレベリングしていこう。



「カズサ様、日も落ちてきたのでキャンプ地に戻りましょう」



大きな負傷はないが、疲れたな。

セシルに促され、設営されたキャンプに戻ると更に疲れそうなイベントが発生していた。



「あなたも設営に携わるべきだったのでは?」



「おい、やめとけって」



「あなた達は何も思わないの!?」



「いや、俺たちは...なぁ?」



また女騎士がシスターララに突っかかっている。他の護衛騎士も宥めようとしているが火に油を注ぐ結果になっている。



「騒がしいな。何事だ」



「セシル様。実は...」



どうやら、シスターララは俺に休むように指示を受けたと言ってキャンプの設営に一切関わらなかった。それを不満に思った女騎士が突っかかったらしい。



やれやれ。



「彼女に待機をお願いしたのは僕です。ご不満があるのであれば僕にお願いします」

「シロカネ様に不満があるわけでは、、、」



怒りのままにシスターララを責め立てていた女騎士は風向きが変わり、顔色を悪くした。



「あなたが不満に思っていることはなんとなく察しがつきます。ですが、あなたは訓練された騎士で彼女は聖職者です。修行をされているとはいえ体力が劣ってしまうのは仕方ないじゃないですか。」



「それは、理解できます。」



「討伐訓練の安全性を上げるために、回復役に常に万全の状態で待機していてもらいたいと判断しました。そのことで皆さんに不快な思いをさせたのであれば謝罪します。」



そう言って頭を下げると騎士達がどよめいた。



「頭をお上げください!」



これまで沈黙していたシスターララが上総に歩み寄る


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ