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拒絶したのに、今更です…   作者: みかさん
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42/51

42話


「マリ~ お願いがあるのよ…」


「何?なんか気持ち悪いよ~」


「まっ!失礼ね。実は今、マリーがザック様と作っているものを譲って欲しいのよ…」


「いいよ!まだ、完成してないから完成したらね」


「本当!?ありがとうマリー」


「それ、アンソニー様に頼まれたの?」


ギクッ

「なんでかしら?」


「だって、私まだ何を作っているかオゼットに教えてないし、アンソニー様は私の事調べてるようだからそうかなぁ~と思ってさ。別に売り出す前に王家には献上するのに何でそんなに早く欲しがるのかなぁ?」


「バレてるなら仕方ないわね。わたくしにも分からないのよ… 出来れば2台欲しいそうよ。お願いできる?」


「うん。オゼットの頼みだもん。出来るよ。後、数日かかっちゃうかも…今日、ザックと話してくるね…」


「そう。貴女大丈夫?」


「うん。覚悟はしたつもり… 任せて!」

マリーは放課後 アリア商会のアトリエへと向かった


◆◆◆


「ザック凄いじゃん!私がいない間に5台出来てる」


「おう。まだ未完成だけどな。お前が居ない間暇だったから作ってみた」


「じゃあ後はこのペダルを付けるだけだね」


「本当にこんなんで遠くまで出掛けられるのか?」


「それは乗ってからのお楽しみ。それでさ、実はアンソニー様がこれを2台譲って欲しいんだって…いいかな?」


「いいも何もお前が作ったんだから好きにしろよ」


「ありがとう ザック!後… この間の返事 してもいい?」


「ああ…」


「私ね… やっぱりリード様が好きなの。リード様と離れてもうすぐ1年経つ。だけど、一向にこの気持ちが薄れる事がないの… 会いたくて、会いたくて、声が聞きたい…リード様が何をしているか、今は何処に居るのか…毎日そればかり考えているわ。だから、ザックの気持ちには答えられない…ごめんなさい」


「でも、成人を過ぎたらお前だって婚約するだろ?あいつの事が好きだったとしても」


「そうね… だけどその前にリード様に告白するわ!例え忘れられていたとしても好きだと伝える!そうすれば、諦めがつくと思うの…」


「なら、俺は待つ!お前が成人するまで好きでいてもいいだろ?」


「でも、私 ザックの事を男として見れない…」


「それはこれからの俺の努力次第だろ?成人して、それでもマリーが俺の事を男として見れないって言うなら俺も諦めるよ!そしたら友達としてつき合っていく。なっ?」


ザックは陽気に笑っていたが、時より見せる切なそうな顔にマリーの心はチクチクと痛むのであった…


◆◆◆


「母上!」


「あら、アンソニー どうしたの?珍しい。貴方がわたくしの元に自ら来るなんて。いつもは呼ぶと渋々くるくせに」


「そんなことはありませんよ。いつも母上には会いたいと思っていますよ」


「まあ、この子ったら… 」


「今日は母上に贈り物があるんです。最近 太ったと嘆いていましたよね?」


「そうね… 運動不足だと思うわ…」


「これは最新の乗り物ですよ。運動神経の良い母上なら直ぐに乗りこなす事が出来ると思います。それとこれは今流行りの動きやすい服です。これを着て、この自転車に乗ってみてください。上手く乗れるようになれば、この補助輪を取るともっとスピードがでるそうですよ」


「まあ、面白そうね!嬉しいわ」


「所で母上、この間の件 父上に話してくれましたか?」


「まだよ。なかなか話す機会がないのよ」


「急いで頂けますか?あと、もう一台マルクス公爵夫人に用意しましたので宜しくお願いします」


「まあ、貴方ったらそんなにその子の事が好きなのね。貴方のそんな切羽詰まった顔は久しぶりに見たわ。いいわ。わたくしがなんとかしてあげる。ユリア(マルクス公爵夫人)もこの話には賛成のようだからマルクス公爵も直ぐに落ちると思うわ。」


「ありがとうございます」


「わたくしもユリアも子供には幸せになって欲しいもの。貴方の好きな方、とても頭がいいみたいね。会えるのが楽しみだわ。アンソニー、貴方は誰にも文句を言われないようしっかり根回ししておくのよ?いいわね?」


「はい、母上…」


◆◆◆


「アンソニー様。只今戻りました」


「おお、アルフリード 久しぶりだね。少し痩せたかな?」


「アンソニー様は逞しくなられましたね」


「ああ、毎日欠かさず剣の修行をしているからね。もう二度と大切な人を危険な目に合わせたくないからね」


「それは良い心構えです。それでご相談があるのですが、このままアンソニー様の護衛はシードに任せようと思っております」


「それは何故だい?」


「近頃、町では犯罪が増えていると聞きました。私は町の警備及び警備班の騎士達の指導をしようと思っております」


「成る程、それはありがたいが… 皆に挨拶はしないのか?会いたがっているぞ?」


「必要を感じません」


「そうか… では、頼んだよ」


「ありがとうございます」

少し髪が伸び、日に焼けたアルフリードはアンソニーに挨拶を済ませると夜の町へと消えていった…


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