32話
「私決めた!リード様に猛アプローチする。私の事、少しでも好きになってもらうように頑張る!」
「ついに決めたのね!頑張りなさいな」
「うん。頑張ってみるよ!もうバレてるなら怖いもの無しだもんね!」
「実はね… 私も、アンソニー様の事が好きみたいなの。2人には知っていて欲しくて… でもね… アンソニー様はこの国の王子様、どうにかなりたいとかそういうのでは無くて、この気持ちを大切にしたいなって…」
「ローズ… ありがとう。話してくれて。そう、2人とも凄いわ!わたくしも頑張らなくっちゃ」
応援し、時には相談し、励まし、慰め合う…マリー達は【恋する乙女同盟】を設立した。
◆◆◆
「まずは龍人族が嫌がる香水を極力つけない、でいこうと思うの! 」
「駄目よ!前にそれでひどい目に合ったじゃない。」
「あっ、そっか… じゃあ他には何かあるかな?」
「甘いものの差し入れなんてどうかしら?殿方の胃袋を掴めと言うじゃない?」
「成る程…」
翌朝、マリーは早起きしアトリエにてカップケーキを作成中。アルフリードのために1人で作っている。
「う~ん。形が微妙… だけど、味はまあまあ美味しく出来た!これをラッピングしてリボンをつければ…出来上がり。」
『みんなの分も作ったけど、これだけリード様のを派手に飾れば分かるよね?』
「アルフリード様… よ、良かったらこれどうぞ…」
「何故私に?」
「アルフリード様は私の気持ちをご存知なのでしょう?その気持ちです!」
『キャー言っちゃった!足がガタガタ震えるわ~』
「そ、そうか… では遠慮無く頂くとしよう」
『マリー嬢は俺が見返りが欲しくて助けていると思っているのか… ここでいらないと言えば益々印象が悪くなるかもしれない… 有り難く頂いておこう。』
「アルフリード様… もし、宜しかったらまたお作りしても?」
『料理が出来るのよアピールしなくっちゃ!』
「ああ、ありがとう… では、私は失礼するよ。」
『そんなに俺の事が恐ろしいのか…』
「はいっ!」
『な、なんか距離が少し縮まったような気がする…』
アルフリードの背中を眺めながらマリーは大きくガッツポーズをした!
◆◆◆
「はぁ… 上手くいかないな…」
『留学先で親父から届いた写真を見た時、心臓が止まるかと思った。マリーが見たこともない顔で見つめる先にはいつもあの龍騎士がいた… くそっ!あいつに釣り合う男になるために留学までしたのに、こんなことになるからずっと近くで見張っていれば良かった。しかも、この間の図書館でマリーを助けた龍騎士の顔…あの顔は… くそっくそっ!マリーの口を無理矢理奪っちまえば少しは俺の事 男として見てくれるか?いや、完全に嫌われるだけか… マリー… どうしょうもなくお前が好きだ…』
◆◆◆
「ローズとは最近どうなの?」
「おやおや、来て早々なんだい?」
「少し気になったのよ…」
「私は上手くいっていると思っているよ。ギース先生にもそれとなく牽制したしね。」
「そう。で、お父様達はどう?」
「あと少しかな… マリー嬢のお陰で色々と上手く事が運んでいるよ。」
「マリーの?」
「ああ、彼女は色々と面白いものを作っているからね。それを利用してさ…」
「マリーに迷惑掛けないでね…」
「分かってるさ。こう見えて私も彼女の事は大好きなんだよ。」
「そう。ならいいわ。後、少しね…」
「ああ、後 少しだ…」
◆◆◆
「ギースお兄ちゃん最近元気ないね?どうしたの?」
「いや、なんでもないよ。新任で疲れただけさ…」
「そう。なら無理しないで休んだ方がいいわ。」
「なぁ、ローズ… お前 今 幸せか?」
「ええ、とっても幸せよ。マリーやオゼットに出会えて毎日とても楽しいの。アンソニー様のお陰で親族からの嫌がらせも無くなったし、お父様も優しくしてくれる。私 この学園に入れて本当に良かったと思っているのよ。」
「そうか… 幸せか… 良かったなぁローズ!」
「ええ、ありがとうギースお兄ちゃん。」
『そうか… ローズは幸せか… 本当は私の手で幸せにしてやりたかったが… もう私は必要なさそうだ…』いつの間にか1つのストーリーが終わってしまった事をマリーは知るよしもなかった…
◆◆◆
「ねぇ、もうすぐ修学旅行ね。今年は無人島で野宿を体験するらしいわぁ。わたくしに出来るかしら?」
「えっ?無人島で野宿!凄い楽しそう!それって道具とか持参してもいいのかな?」
「メイドも執事も2人までなら参加出来る様だから勿論いいに決まっているわ。」
「やった!じゃあさ、オゼットとローズの準備も私がするからさ、うちのスタッフ6人連れていってもいい?」
「わたくしはいいわよ。1人で大概の事は出来ますもの。」
「私も大丈夫です。元から連れていきませんし…」
「じゃあ決まりね!面白くなってきたー!」
それからマリーは修学旅行前日まで忙しい日々を過ごした…




