第4部 おまけ2 シルバー王国王太女ラナンキュラスの後日譚
アカデミー高等部では、年間終業の式が終わると春の長期休みになる。
なので、シルバー王国内にある屋敷に僕は戻っていた。
僕の部屋では、ラナンがメイド服を着て、クレオメの指示に従いながら仕事をしている。
しかし、王太女の身分はそのままらしい。
むしろ、それが条件だとか。
ちなみに、ナスも帝国の皇子の身分に戻ったというのに、僕のそばにいる。
なんなら、以前よりもそばにいる時間が増えたかもしれない。
「いいの?僕のそばばかりいて」
と聞くと、むしろそれがメインだという。
どういうこっちゃ。
部屋を見渡すと、王太女の身分の人がメイド服に身を包み、嬉々として僕の身の回りの世話をしてくる。
それを、エクレアがメイド長の立場で指導しているのだ。
いいのか、それで。
僕は少し不安な気持ちになる。
また不敬罪とかにならないかなあ。
不意にエクレアと目が合う。
エクレアはにっこりと笑い、
「大丈夫でございますよ、ご主人様。ご主人様に不埒を働くような貴族は、もうこの国には存在しません。それに」
「ご主人様は、シルバー王国、神聖ゴールド聖教国の王族をも従えるお方」
「神聖ゴールド聖教国のゴールデア女王は、ご主人様の忠実な従者。誰もご主人様を侮るような真似はしないでしょう」
あいかわらず僕の心の内が読めるのか、僕が心配していることを、エクレアは安心できるようになだめてくる。
神聖ゴールド聖教国の女王が僕の従者?
というのは、さすがにエクレアの冗談だと思うけど。
以前、プラチナ帝国に屋敷を構えていたときに、ゴールデア女王が訪問したことがあり、たしかそんなようなことを言っていた。
さすがに冗談だと思ったけど、まさか本当なのか?
女王陛下が?
僕の従者?
どちらにせよ、エクレアの言葉で僕の心配は吹き飛んだ。
でも、冗談だよね?
ね?
女王様が僕の従者なわけないもんね。




