エピローグ
数日後。
この屋敷に客が来たようだ。
エクレアが客を僕の前に通す。
「やあ、元気だったかい。久しぶりだね」
声の主は、Aランク冒険者の「風神」のパロットだった。
この人はエルフ族で、僕は何度か顔を合わせたことがある。
「あのあと、気にしていたんだけど、魔法の影響はなさそうで安心したよ」
いやいや。
影響ありまくりだったよ。
魔法の影響を受けすぎて、前世の人生まで思い出したんだから。
だけどもう終わったことだし、気にさせるといけないので言わないでおこう。
「ああ、あと同族がすまなかったね。あいつは・・・・元婚約者としても、お詫びするよ」
え?
誰が、誰と。
僕がポカンとしていると、
「え、いやあ、だからセダムと私。セダムと私は昔、長老が決めた許嫁同士なんだけど、勝手に決められたのが嫌で里を飛び出してねえ」
「で、なんか事情を聞いてみると、私に振られたから、その腹いせにって言ってたんだよ、あいつ。あっはっは」
あっはっはじゃないよ。
じゃあ、原因の大半はパロット?
パロットが帰ったあと、どっと疲れた。
部屋へ戻ってゆっくりしようと、廊下を歩く。
客室から自分の部屋へ帰る途中、廊下をクレオメとラナンキュラスが掃除をしている姿が見えた。
ラナンキュラスはクレオメの下についたそうで、クレオメは嬉しそうに指導している。
その様子を見ると、なぜか急に思い出したことがあった。
そういや、ダオがあのとき何か言ってたな。
たしか・・・・魔法生命体は知らないかと。
ダオが言ったことを思い出しながら、僕は自分の部屋へと戻っていった。
部屋には、今日の僕の当番であるアマリリスがいた。
なので、アマリリスに聞いてみた。
「ねえ、魔導人形は兵器としてしか使えなかったけど、もっと進化をさせたら人族同様のことができるようになるのかな?」
「たとえば、どのようなことをお考えなのでしょうか?」
「ん、例えば、簡単な家事をするとか、あとは、う~ん、危なくない程度で冒険者ギルドの依頼をこなせるようになるとか。まあ、そこまでは難しいか」
話していると、クレオメとラナンキュラスが部屋に入り、お茶とお菓子を持ってきた。
ちょうど、お茶の時間になったみたいだ。
僕はてきぱきとお茶の支度を整えるクレオメと、その補助をするラナンキュラスを見ている。
この二人は息が合って、いいコンビだ。
そんなことを考えながら二人を眺める僕に、アマリリスは、
「ご主人様が考えているものとは違うかもしれませんが、魔導人形はあれが限界でございます。所詮、人形は人形ですので」
「ですが、それをさらに進化させた存在を魔法生命体と申しまして、見た目も能力も、なんなら魔力も人族さながらでして」
「魔法生命体なら、子を孕むことも可能ですし、ご主人様が仰る簡単な家事や、冒険者ギルドの依頼などもこなせるでしょう」
アマリリスの説明を聞いた僕は、
「・・・・魔法生命体ってすごいね。でも、そんなにすごいものなら完成はまだしてないんでしょ?」
アマリリスは僕の問いを聞いて、クレオメを静かに指さす。
「ご主人様。その者は、わたしが作成した魔法生命体でございますよ」
僕に仕えるメイドは世界最強の英雄です5~先史文明の遺跡調査だって?なにそれ、めちゃ興味ある。なお発掘されたのは魔導人形でした~
おわり
シリーズ本編第5作目が、これにて完結いたしました。
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。
少しでも楽しんでいただけたのであれば幸いです。
ここから少し宣伝です。
明日9月17日からは、
『社内で“失敗係”と呼ばれていた俺、実は世界最強のメイドに仕えられてエリート美女たちに溺愛されています~ぼくつか外伝~』
を毎日夜10時に更新します。
こちらは完結済みで、10月22日まで更新予定です。
そして10月23日からは、シリーズ本編第6作目、
『僕に仕えるメイドは世界最強の英雄です6~僕が必要?僕じゃなくて、僕の従者が目的なんでしょ。追い出したのはそっち。いまさら謝られても戻りません~』
の連載を開始する予定です。
こちらも完結済みです。
もし、このシリーズをこれからも少しでも読みたいと思っていただけるのであれば、作者としてこれ以上嬉しいことはありません。
それでは、また『ぼくつか』の世界でお会いしましょう。




