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第4部  それぞれの未来へ  第1話

僕はいま、シルバー王国に戻っている。


そして、アカデミー高等部の訓練所にいるのだ。


そこで僕たちは、パーティの連携を見直すために訓練を積んでいる。


僕のパーティメンバーは現在四人。


「シルバーの栄光」寮で最初に出会ったラナン。


プラチナ帝国の魔法学園以来の親友のナス。


そして、ダオ。


ダオは背が低く、一番年若いと思うが、魔力に長けている。


そんなダオが訓練場の中心部から的に向かって、勢いよく魔法を放つ。


「いきますよお!!それぃ、雷属性、中級魔法!!」


ダオが的に向かって、雷属性の中級魔法を放った。


いい腕だ。


ピタリと的に直撃し、的が粉々になった。


どんなもんだいという自慢げな顔をダオはしている。


次に、ラナンが風属性魔法を放つ。


しかしラナンは、攻撃よりも防御に向いている。


訓練用として備わっている矢の嵐を、風属性の結界で弾き飛ばす訓練をしている。


僕は、ラナンに風属性の結界を強化してほしいとお願いした。


矢だけではなく、魔法攻撃も跳ね返してほしいと。


できれば、魔導人形が放ったあの強力な火属性魔法の火球を跳ね返すぐらいに。


ラナンは多少顔が引きつっていたけど、僕の真剣な目を見て、首を縦に振ってくれた。


そして今も、魔力を込めて結界の強度を高め、矢を弾き飛ばしている。


さすがラナンだ。


あの魔法のセンスは、僕にはとても真似できないだろう。


あの分だと、火属性魔法の火球を跳ね返すぐらい結界が強固になるのも、そう遠くないかもしれないな。


次にナスだ。


いま、ナスは僕と打ち合いをしている。


僕もナスも近接攻撃が主体なうえに、お互いの技量はほぼ互角なので、良い練習になるのだ。


しかしナスのすごいところは、魔法も同じぐらい熟練していること。


ナスは土属性魔法を得意としている。


土属性魔法は近接攻撃でも有利に働き、攻撃力を上げるのに向いているのだ。


だけど僕は、ナスに、土属性の最大の特長であるその防御力の高さを磨いてほしいとお願いした。


そう。


例えば、あの魔導人形が放つパンチでも崩れないぐらいの強固な土壁は作れないか、と。


やはり、ナスは顔が引きつっていたように思うが、


「・・・・任せろ!!」


と言って、僕との打ち合いのあと、土属性の魔法の練習を始めている。


ラナンと言いナスといい、僕って本当に、仲間に恵まれたよな。


そして僕。


僕は、あの夢が終わった後、一番印象に残ったある出来事を果たすため、パーティでの訓練を始めた。


それは何かというと、魔導人形だ。


先日も、遺跡で発掘調査中に、急に魔導人形に襲われた。


その魔導人形をどうやったら倒せるだろうか。


僕は最後の、魔導人形の災害、魔導災害の様子を見てから、そのことで頭がいっぱいになった。


それを解消するために、ラナンたちにパーティで訓練をしたいと言ったら、みんな快く受け入れてくれた。


だけど、僕が本当はあの魔導人形を倒すことを目標にしているとは思わないだろう。


今のままでは絶対にかないっこないから。


ラナンやダオに言っても、一笑に付されるだけ。


僕もそう思う。


でも僕には勝算がある。


夢の中で見た、もう一つの印象深い”アレ”。


”アレ”を使えば勝てる、はずだ。


僕はダオの魔法を見て、打ち合いをやめ、


「見事だ。ダオ。もう一度撃ってくれないか?!」


「ん、オーケー。リーダー先輩。何度見ても僕の魔法は威力は落ちないよお。それー」


ダオが僕の要請を受けてもう一度、的に向けて雷属性魔法を放つ。


雷属性魔法。


これだ。


これなら。


強力な”アレ”を放てる。


僕は、雷属性魔法が的に当たる瞬間を狙って、身体ごと魔法にぶつかる。


狙いが外れた。


魔法が身体に当たるのを怖がって、タイミングがずれてしまった。


「何してるんだ!?危ないでしょうが!!」


ダオは叫ぶし、ラナンもナスもびっくりしている。


だけど、これでいい。


このタイミングを身体に覚えさせなきゃ。


「悪いけど、ダオ。もう一度お願いできるかな」


鬼気迫る僕の真剣な声色に、ダオも言葉を飲み込む。


しぶしぶといった体で、ダオはもう一度的に向かって魔法を放つ。


「わ、わかったよ。それー」


僕は、その魔法のタイミングや魔法の速度をじっくり見て、身体に覚えさせるように、魔法と的の間に滑り込ませる。


「う、うわああ。危ない!!」


ダオは叫ぶが、関係なく僕は魔法にぶつかっていく。


ラナンもナスも、僕の方を信じられないものを見るような目で見てくる。


「どうしちゃったの・・・・?」


ラナンの泣きそうな声に、


「ごめん、今は何も聞かないで。気が狂ったわけでも、死にたくなったわけでもない。ただ、新しい技の練習をしているだけなんだ。ダオ、もう一度、お願い」


そう言って僕は頭を下げ、ダオに魔法を撃つよう催促する。


「なんなんですか、もう~~」


ダオはおっかなびっくりで、雷属性魔法を放つ。


あと、もう一人いた。


メイドのクレオメ。


彼女は正式なパーティのメンバーではないが、随行補佐員として、記録や物資管理をしてもらっている。


この場では、メンバーの訓練記録や、ケガしたときの応急処置をしてもらっている。


特に記録は正確だ。


おかげで、ずいぶん訓練がはかどった。


こうして、僕たちパーティの秘密の特訓は、外部には知られることもなく続けられた。



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