表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

25/35

第5話

「むう、あれは文献に載っている魔導人形じゃな。いわば、魔力を動力として動く人型魔道具といったところか」


「むろん、かなりの戦闘力じゃろう」


目の前の金属人形――いや、魔導人形は目を光らせた。


まるで侵入者を撃退すると言わんばかりに、火属性の魔法を放ってくる。


かなりの威力を秘めた火球だ。


しかし、ラナンとクレオメが展開した風属性の結界により、火球はそらされ、こちらまでは届かなかった。


だが、逸れた火球は建物を焼け焦がしている。


とてつもない魔力だ。


「なんて威力だ。ぼくの魔力じゃ、もう結界はもたないよ!!」


ラナンが叫ぶ。


今度は、魔導人形が太い腕でこちらを攻撃しようとした。


そこをナスが止めに入る。


「まかせろ!!」


ナスは土属性の壁を展開し、魔導人形の丸太のように太い腕を止めた。


しかし、すぐにひびが入り、土壁は崩れてしまう。


「なんて力だ。俺の土属性魔法では受け止めきれないか」


ナスは悔しそうに言う。


今度は、魔導人形の顔部分から、とてつもない魔力が感じられた。


ダオが叫ぶ。


「危ない。高出力の魔力を帯びた光線を放出する気ですよ!!」


数秒後、ダオの言う通り、とんでもない威力を秘めた雷属性の光線が、魔導人形の顔部分から放出された。


幸い、ダオの掛け声のおかげで、なんとか避けることができた。


しかし、なんて威力なんだ。


このままでは、やられてしまう。


なんとか、魔導人形を倒さないと。


何か、威力の高い攻撃方法はないか。


僕は目を閉じて考えた。


実は、僕にはとっておきの切り札がある。


その切り札の名は、超付与魔法「ブースター」という魔法だ。


しかし、この付与魔法はリスクが非常に高く、一度使うと三日以上身体が動かなくなる。


この魔法で目の前の魔導人形を仕留めても、まだ何体出てくるか分からない。


「ブースター」を使うには、危険すぎる状況といえるのだ。


他に方法はないのか。


焦って考えていると、ふと、夢の世界を思い出した。


夢の世界の僕、ホワイトは、魔法を自分の身体に撃ち、その魔法を身体にまとって攻撃力に転嫁していたのだ。


その名はたしか・・・・。


魔法剣。


そう、魔法剣と言っていた。


理屈は理解できる。


身体に魔法をまとう。


それをダメージなく行うには、かなり高度な魔力制御の技術が必要だろう。


今の僕にできるだろうか?


いや、迷っている暇はない。


僕は意を決して叫んだ。


「ダオ、僕に雷属性魔法を撃ってくれ!!」


ちなみに雷属性は希少だ。


ダオは、その希少な雷属性を操ることができる優秀な魔法使いなのだ。


「はあ?!リーダー先輩、トチ狂ったんですか?こんな時に冗談はやめてください」


「冗談じゃない。早く僕に向かって撃ってくれ!!魔導人形の攻撃がくるぞ!!」


「え~い、どうなっても知りませんからね!!」


ダオが僕めがけて、雷属性魔法を放った。


怖い。


しかし、ダオの放った雷属性魔法の魔力を身体にまとわせないと、魔法剣は放てない。


バシィ!!


うぐぅ。


雷属性魔法が、僕に当たる。


これはだめだ。


こんなの正気じゃない。


夢の中のホワイトは、本当にこんなことをやったのか?


僕は必死で、雷属性魔法を身体の周囲に維持するよう魔力制御を行う。


しかし、無理だ。


魔導人形の方を見ると、再び強力な攻撃を仕掛けようとしていた。


僕は意識が途切れそうになりながらも、雷属性魔法をまとい、剣を振るった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「おい、おい。起きろ!!」


「リーダー先輩、いつまで寝てんすか?もう起きてくださいよ」


・・・・・・・・。


・・・・。


目を開けた。


僕はどうやら、気を失っていたようだ。


周りには、ナスにラナン、ダオがいて、心配そうに僕を見ている。


動いている魔導人形はいない。


やっつけたのか?


「え、寝ていたのかい、僕は?あ、え、魔導人形はどうしたの?誰かがやっつけてくれたのか?」


僕が気を失っている間に、魔導人形は動きを停止していた。


横に、大きな巨体の魔導人形が横たわっているのが目に入る。


「いや、僕たちも気を失っていた。魔導人形は、どうやら動力を失ってしまったようだよ」


ラナンは心配そうな声で言った。


魔法で動くとはいえ、数百年前にできた魔導人形だ。


きっと、僕たちの攻撃が功を奏して、動きを止めることができたのだろう。


僕の放った魔法剣は成功したのだろうか?


まずは命があったことを喜ばないといけないのだろうけど、僕は不謹慎にも、魔法剣に興味を持ち始めていた。


だが、隣にいた従者のエクレアが言う。


「ご主人様。残念ながら、ご主人様の放った魔法剣は未完成でございました。僭越ながら生命の危機と判断し、わたくしどもで魔導人形に対処させていただきました」


やはり、エクレアたちのお陰だったか。


僕の攻撃が通用しなかったことを残念に思う。


それと同時に、エクレアに感謝した。


エクレアたちには、極力手助けをしないようにお願いしていた。


しかし、これ以上は危ないという時だけ、守ってもらうようにお願いしていたのだ。


エクレアたちは、僕のお願いをしっかりと守ってくれたのだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ