聖なる地 80
お仕置きタイムです。
大きな黒い翼に包まれて、フィリアは何度もグリードの名を呼んだ。
「グリード。」
「グリード!」
「グリード!!の、、、、ばかぁぁぁ!!」
次の瞬間、グリードはフィリアに思い切り溝うちを蹴られ、そして、踵落としを喰らい地面に叩きつけられた。
それをニフエルは呆然と見つめた。
「バカバカバカバカ!」
フィリアは大きな瞳いっぱいに涙をため、そして、グリードを睨みつけた。
「ずっと、ずっと一緒にいるって言ったじゃない!」
「一人にしないって、言ったじゃない!」
「側にいつもいるって言ったじゃない!」
嗚咽が始まり、涙をポタポタと零しながらフィリアは怒鳴り声を上げ、そして泣き崩れた。
グリードは、人間の姿へと変わるとフィリアの体を抱き締めた。
「ごめん。」
「嘘つき。」
「ごめん。戻ったらフィリアに迷惑がかかると思って、、、後1年でフィリアは俺の災いの魔力を消せると前に言っていただろ?だから、それまで、ここで囚われておこうと思ったんだ。」
「勝手に決めないで。」
「ごめんフィリア。お願いだから涙を止めてくれ。」
「止まらない。止め方なんて知らない。」
フィリアを抱きしめる腕に力を込める。
「もう絶対に一人にしないから。」
「嘘だ。」
「寂しい思いもさせない。」
「嘘だ。」
「絶対に、約束するから、許してくれ。」
「、、、本当に?絶対?」
「ああ。絶対。」
こくりとフィリアは頷き、グリードの背中に手を回した。
「破ったら、私、家出するから。」
その言葉に、グリードはビクリと体を震わせた。
「いやいや、そんな。」
「男の人の家に泊まっちゃうかもよ?」
ピシッと体が強ばる。
「分かった。絶対約束するから。それは止めてくれ。」
ニフエルは、人の姿になると、二人の所へと近寄りため息をついた。
「この茶番はいつ終わりますか?」
フィリアはにっこりと笑った。
「え?ふふ。もう終わるわ。じゃ、ニフエル。私達帰るから。」
「帰すわけ無いでしょう。っていっても、グリードを留めておける鎖はもう無いんですが。はぁ、勝負もへったくれもないじゃないですか。」
髪の毛をかきあげ、ニフエルはまたため息をついた。
「あぁ。しょうがないですね。分かりました。私が一緒に行きましょう。それで良いなら、地上へ降りても構いません。」
その言葉に、フィリアは喜び、グリードはげんなりした表情を浮かべた。
「それに、聖なる乙女をマテも出来ない駄犬から守らねばならなさそうですしね。」
「駄犬?」
「いえこちらの話です。よろしくお願いしますねフィリアさん。それにグリード(駄犬)。」
バチバチと、グリードとニフエルとの間でしばらく火花が散った。
一番の被害者はニフエルさんです。




