表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
57/129

ユーリの苦悩 56

楽しんで読んでいただけたら嬉しいです!

 フィリアとの話し合いがあった次の日、ユーリは少し緊張した面持ちで学園へと足を運んでいた。


 なぜ、自分が最初なのであろうか。


 いや、決してフィリアに心を持っていかれることはないと断言できる。だが、自分が一番目でないほうが明らかに対策が取れたはずだ。


 だが、仕方ない。


 大きなため息を漏らし、空を見上げると、桜の木から美しく花弁が舞った。


 不意に、突風が吹き、瞼をぎゅっと閉じ、目を開けたとき、思わず視界を奪われた。


 桜の精と踊っているかのように、ハーフアップにした少女が桜の花弁に包まれ、楽しそうに桜の木を見上げていた。


 そして、その少女はユーリの方を見ると、ふわりと微笑みを浮かべた。


「ユーリ様!おはようございます。」


 淑女としては少しはしたないが、少女はユーリに出会えたことがとても嬉しいような様子で駆け寄ってくる。


 美しい花が咲いたような笑顔は人を引き付ける。


「お、、おはよう。」


 その少女は、フィリアで間違いない。だが、ユーリの知っているフィリアとはかけ離れていた。


「もう。ユーリ様。私の顔、なにかついてます?そんなに見ないでくださいませ。、、恥ずかしいですから。」


 頬を微かに赤らめてそういう姿に、ユーリは思わず呟いた。


「誰だ君は?!」


 はにかんだ笑みを少女は浮かべた。


「フィリアですよ。ひどい。ユーリ様ってば!」


 笑みを浮かべると、その後、いつの間にか一緒にお昼ごはんを食べる約束をしていた。



 このままではいけない。

 このままではいけない!


 ユーリは慌ててエマの所へと向かった。


「エマ!助けて!」


 その言葉にエマは目を丸くした。


「ユーリ様。どうなさったの?」


 ユーリはエマの手を取ると自分の心を抑えるかのように呟いた。


「わからない。けど、フィリアの仕草がとにかく僕の心をかき乱すんだ。」


 一つ一つの動きが、首を傾げたり微笑んだりする姿が、とにかく自分の好みを的確についてくる。


 だがしかし、エマを見ていると心が落ち着いてくる。


 心配そうな様子、そして、視線を合わせると恥ずかしそうに頬を赤らめる姿。


 ドクン。


 心臓がなるのがわかる。


 ユーリはエマを見つめて微笑みを深めた。


「ありがとう。エマを見ていたら落ち着いてきたよ。それじゃあまた後でね。」


 その後は順調に授業をうけて、昼休みになった。


 待ち合わせは裏庭の花壇近くのテラスだ。


 足を向け、そして、その光景を見て息を呑んだ。


 花たちが嬉しそうにフィリアを見つめていた。


 昔から、草花の気持ちが異様に自分には分かり、育てるのが得意だった。


 そんな草花がフィリアに好意を向けている。


 その姿をぼうっと見つめてしまう。


「あ、ユーリ様。」


 にこりとこちらを向き、手を振る。


「あ、これはやばいな。」


 自分は浮気者なのかと、悲しくなった。


読んで下さりありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=680220678&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ