春夏秋冬精霊会議 51
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桜の花びらが舞う中で、グリードと並び歩きながらフィリアは心が踊る気持ちでいた。
攻略キャラと令嬢達の恋愛は順調だし、このままいけば幸せな結婚間違いない。
「ふっふふーん。」
鼻歌を歌って校舎に入ろうとしたときであった。学園の門に慌ただしく馬車がやってきたかと思えば、ドタバタと降りてきたのはフィリアの父、ロード男爵であった。
「フィリア!」
そう名が呼ばれ、何事かとこちらもロードの方へと足を向け、向かい合った。
「お父様、どうなさいましたの?」
「た、、大変なことが起こったのだ。グリード。頼む。私達をまとめてフィリアの屋敷へ飛ばしてくれ。そこですべてを説明する。」
あまりの慌てように、グリードと顔を見合わけうなずきあうと、人気のないところへと移動し、瞬間移動をした。
すると、フィリアは久しぶりに帰ってきた屋敷の異様な雰囲気に驚いた。
「な、、何事?」
グリードはあたりを見回しながらスンスンと鼻で匂いを嗅いだ。
「フィリア、、、これはやっかいなやつらが出てきたぞ。」
「こっちだ。こっちに来てくれ。」
そういってロードか案内したのは、いつもフィリア達が精霊たちとお茶をする庭であった。
だが、その庭すらも様変わりしており、驚きが隠せない。
春夏秋冬の庭がそこにはあった。
季節が4つに割られ、そして、テーブルに腰掛ける者たちは一斉に柔らかな笑顔でフィリアを見つめてきた。
『おぉ。フィリアよく来たねぇ。』
『待っていたぞ!』
『さぁ、おすわりなさい。』
『話し合いを始めよう。』
いつもは煩いくらいに喋りかけてくる精霊たちが見当たらずきょろきょろと周りを見ると、木々の下にいくつもの影が見えた。
「精霊達、、どうしたの?」
『フィリア、、フィリア。』
『ダメ、今は近づけない。』
『近づきたいけど、許してもらえない。』
その瞳は仄暗く、悲しげに揺れる。
ロードはフィリアの背を押した。
「とにかく席に付きなさい。詳しく話そう。」
ロードに促され席についたが、ロードやグリードは座らずにフィリアの後ろに控えている。
何が起こっているのかわからず、フィリアが困惑しているとグリードが口を開いた。
「貴殿らが人の前に姿を見せるのはいつぶりだ?」
『三百年くらいかねぇ。』
『儂は二百年だ。』
『千年ほど。』
『同じく。』
その言葉にフィリアは頭が痛くなってきた。
「フィリア。この者らは、春夏秋冬を司る精霊王だ。」
『春は私。』
『夏は儂。』
『秋は我。』
『冬は僕。』
4人は甘く蕩けそうな笑みをフィリアに向けてくる。
「あの、、、それで私にようですか?」
フィリアの言葉に精霊王らはうなずいた。
『愛しい子よ。なぜ、我等が申し子である者たちを選ばないのだ?』
フィリアは言葉の意味がわからず戸惑ってしまう。
「あの、それはどういう、、それになんで他の精霊達は出てきては行けないのです?」
すると、不機嫌そうに答える。
『あやつらばかりフィリアと遊んでずるいじゃない。』
『そうだ。儂らは季節が巡るゆえ、忙しくて遊べぬのにな!』
『そうですよ。我らもそなたと遊びたい。』
『これまでは、申し子らがそなたとくっつけばそれでよしと思っていたのに、そうならなさそうで、それならばもう限界だ。』
フィリアは漠然とだが状況が見えてきて焦りを覚える。
「つまり、ストライキ、、ですか。」
精霊王らは首を傾げたが、精霊らがざわざわと仄暗い瞳で騒ぎ始める。
『精霊王らがストライキ!』
『季節が崩れるぞー!』
『厄災が訪れる!』
『大変なことがー!』
『起こるぞー!』
なんと恐ろしい呟きであろうか。
遊べないから、厄災が降りかかるレベルのストライキなんて起こさないでほしい。
事の重大さが見えてきて、フィリアの額からも汗が落ちる。
先程までの浮かれた気分は霧散したのであった。
読んで下さりありがとうございました!




