冬の季節 46
楽しんで読んでいただけたら嬉しいです!
窓の外を見ると、雪が風に舞っていた。
少しずつ積み重なった雪はすでに30センチほど積もっている。
部屋の中は魔法によって温かいが、窓に触れれば冷たく、身震いしてしまう。
このゲームの世界は水着があったり、日本の行事が入り込んでいたり、世界観がゆるいなと感じる。
冬の一大イベントは、クリスマスパーティー。
クリスマスパーティーでは、クラスで何かしらの出し物をしなくてはならない。
ゲーム内では、クリスマスパーティーのイベントを演劇に選択→劇のヒロインに決まる→衣装が行方不明になる→ミニゲーム探せ!素敵な衣装→劇で活躍→パーティーでプレゼントをもらう。という流れになっている。
だが、フィリアは不安で仕方がなかった。
シオンは果たしてシェーラとラブラブになれるのであろうか。
熟年夫婦な空気が漂う2人。そんな2人が今更ドキドキ、ラブラブといった雰囲気になるのか疑問でしかない。
フィリアは思った。
とりあえず、とりあえずはイベントを頑張ろうと。ただ頑張ってみてそれでも同じようならそれはそれで愛の形なのだと受け入れようと。
シェーラもエマ、クロエラ、マリアと共にカフェでのお茶会に参加するようになり、仲良くなっていた。
「クラスの出し物、シェーラは主役頑張ってね。」
演目はオリジナルだが、雪をテーマにしようと決まると全員一致でヒロインにシェーラがヒーローにシオンが選ばれた。
ちなみに、エマ、クロエラ、マリアは妖精役とぴったりである。
フィリアは自主的に悪役である魔女に立候補し、その家来役にグリードが決まった。
「えぇ。ふふ、でもフィリアが悪役に立候補した時は驚いたわ。」
「私も。でもそれ以上にグリード様が家来っていうのが。」
「でもピッタリですわ。」
皆が口々にいっていった時、エマがきらきらした瞳で言った。
「ずっと聞きたかったのだけれど、グリード様とフィリア様はどういう関係ですの?ロード家の養子ということは、フィリア様のお兄様になるのかしら?」
「そうですね。名目上はそうなるのかしら。」
フィリアがそういうと、クロエラの瞳も輝いた。
「名目上は、とは?もしかして、フィリア様とグリード様は恋仲ですの?」
その言葉にフィリアはお茶を吹きそうになった。
「違うわ。皆様誤解をしないで。」
すると以外にもシェーラが話に乗ってきた。
「たしかに、グリード様はフィリア様を大切にされていますわね。」
フィリアはその言葉に、大きくためきいをついた。
「あの、、皆様ここだけの話にしてくださる?」
4人がうなずくのを見て、フィリアは話始めた。
「グリードと私は小さな頃から一緒に暮らしていて、、その為か、グリードはいつまでも私の事を子ども扱いしますの。それに、昔からスキンシップが激しくて、、、。」
「スキンシップ?」
「あの、どのような?」
「頭を撫でたり、抱きしめたり、肩に頭を埋めてきたり、、、。」
その言葉に4人は固まった。
フィリアは破廉恥だと思われたのではないかと顔を真っ赤にした。
「まぁまぁまぁ。」
「やりますわねグリード様!」
「きゃ〜。愛を感じますわ!」
シェーラはあまりに驚いたのか顔を赤くし黙ってしまった。
フィリアもうつむいまま話を進める。
「勘違いしないで下さいませね!グリードの場合、、本当に、、他意はなくて、私を子どもだお思っているんですわ。」
4人は微笑ましいものを見るかのように笑みを浮かべた。
「そうなのですか。」
「フィリアは、それでは嫌だと?」
「い、、いいえ。あの、、どうせグリードは私の事は見ていませんから。」
シェーラは首をぶんぶんと横に振った。
「そんなことはありませんわ。色恋に疎い私ですら、グリード様のフィリアに対する愛を感じますもの。」
フィリアはそれに悲しげな表情で言った。
「それは家族愛なんですの。」
その言葉で4人はそれ以上何も言えなくなってしまった。
その後、あえて話しは違うことに移されたが、フィリアの心にしばらく自分で言った言葉が渦巻くのであった。
読んで下さりありがとうございました!
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