秋の季節44
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朝の支度を整え、マリアはロイに早く謝りに行かなければと気が重いながらに考えていた。
だが、扉を開けて驚いてしまう。そこには、薄っすらと目の下に隈が出来た、ロイが立っていた。
「ロイ様、、、。」
ロイは今ノックしようとしていたようで、片手をバツが悪そうに下げた。
「マリア孃、、話があるのだがいいか?」
「え、、えぇ。」
フィリア達はロイの様子から2人きりのほうがいいだろうと判断し、マリアに目配せをすると、頷きあい、その場を離れた。
ロイとマリアは庭の方へと移動していった。
庭の木々は美しく色づき、風からは秋の匂いがした。
「マリア孃。」
「ロイ様。」
2人はお互いに見つめあい、ほぼ同時に言葉を口にした。
「昨日はすまなかった。」
「昨日はごめんなさい。」
その事に、2人は目を丸くし、そして笑った。
「私は、、こんな性格だろう。だから、自分が正しいと思ったらなかなか変えられなくて、、だが、昨日は私が悪かった。もっと君の気持ちを尊重すべきだった。」
「私も、、、上手に甘えられないから、、」
「い、いや!君は可愛い!昨日のは、、頼ってもらえないと思って、、なんだか、、悔しかったのだ。」
その言葉にマリアは顔を赤くした。
「私は、、君にもっと私を頼ったり、甘えたりしてほしいようだ。君に嫌われた私はもう駄目か?もう一度チャンスをくれないか?」
マリアの頭から湯気がでていた。
こんな熱のこもった瞳で見つめられるのは初めてである。
「マリア。君を手放すことは出来ない。どうか私にチャンスをくれ。」
心が喜んでいるのがわかる。
いつも真面目なロイ。
真面目で頑固で融通のきかない人。
でも、そんな人だけど好きになってしまったのだ。
「昨日の大嫌いというのは、嘘です。」
その言葉にロイは嬉しそうに微笑みを浮かべた。
「マリア。」
「ロイ様。」
ロイはゆっくりと大切なものを手にするようにマリアを抱きしめ、ほっと息を吐いた。
「君に嫌われたと思って、胸が潰れるかと思った。」
「お、、大げさですわ。」
「いや本当だ。私は存外君が大切でたまらないらしい。」
「っ!?」
マリアのつむじに、ロイは口付けを落とした。
「だから、これからも私の横にいてくれ。」
「は、、、はい。」
その姿を、見守る影があった。
「きゃー!ロイ様、熱烈だわ!」
「名前呼び捨てに変わったわ!素敵ね!」
「あぁ!マリア様ったら顔が真っ赤!可愛らしいわ!」
にやにやが止まらない3人であった。
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