夏の季節 35
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やっとファッションショーの最後の出番が終わり、裏側へと下がったフィリアは安堵の息を吐いた。
最後の水着は特に露出の激しいものであり、胸元も大きく開いている。
「とても可愛かったよ!君は名前はなんと言うのかな?」
アレクの友人であろう男は、急いで裏側へと回ってきたのか息を荒くし、嬉々としてフィリアに話かけてきた。
「えっと、、、あの、、先に着替えたいので。」
「着替えてしまうのか!?可愛いのにもったいない。よかったら、そのまま、海で泳ぎに行かないかい?」
フィリアはどうしたものかと思っていると、男は手を伸ばしフィリアの肩に腕を回した。
「色が白いね。、、肌も綺麗だ。」
さすがのフィリアも気持ちが悪くなってきて腕を振り払おうとしたのだが思いの外力が強く、離れられない。
「あの、、やめてください。」
「可愛いなぁ。こっちにおいでよ。」
「その手を離せ。」
振り返ると、グリードが鬼の形相でそこに立っていた。
男はにやにやと笑うと言った。
「何かな?今は彼女と話をしているんだが。」
グリードは何も言わず、男に歩み寄るとフィリアの肩にあった腕をねじり上げて突き飛ばした。
男は悲鳴を上げ、その場に倒れた。
「す、、すまなかった!ちょっとした出来心だよ!」
「失せろ。」
男は打ったであろう腰をさすりながら走っていった。
フィリアは息を吐いた。
「ありがとうグリード。助かったわ。っ!?」
急に腕を引かれ、グリードの胸に顔を押し付ける形になった。
グリードはそのまま、フィリアの腰に手を回し抱きしめる。
「フィリア、、そなたは女の子なのだ。力では男にかなわない。、、、心配をさせないでくれ。」
フィリアは女の子と言う言葉がまだ子ども扱いされている気がして文句を言った。
「本気をだせば勝てるわ!」
「勝てない。今だって、俺に囚われている。」
「そ、、それはグリードだから。」
「フィリア。こんな格好で人前にでるなどともう言うなよ。」
「え?」
「もう許さない。」
「いや、それは私の勝手で」
「フィリア。」
「はい。」
「許さないと言った。これは絶対だ。」
フィリアの顎をすくい、目を合わせそう言われる。
グリードの瞳があまりに真っ直ぐで、フィリアは頷くしかなかった。
それを見て、グリードは蕩けるような笑みを浮かべた。
「こんな可愛い姿を見せていいのは俺だけだよ。」
いや、それはどうなのでしょうかグリードさん。
フィリアは顔から湯気が出るかと思った。
グリードは、フィリアに自分のジャケットを着せると、着替えてくるように促した。
更衣室に入ったフィリアは、ただただ悶絶した。
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