夏の季節 33
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カインの家の別荘は、海の横に建てられており、もちろんプライベートビーチがある。
今回はカインと、カインの兄、そして兄のファッションの仕事中間達が集まり、それぞれの渾身の水着の見せ合いとなっている。
フィリアは、カインに頼み、グリードも共に招待してもらった。
「フィリア、やはりやめないか?」
グリードがこの言葉を、口にするのは一体何回目だろうか。10を超えたあたりで数えるのをやめた。
フィリアは遠い目をしながら、数十回目になる言葉を言った。
「女には逃げてはいけない戦いがあるのよ。愛しのクロエラ様のためなら、水着の1つや2つ、どんのこいよ。」
それでもグリードは納得行かないらしく、眉間には深くシワが刻まれている。
昼食時間の時にお披露目、そして海で海水浴といった流れであり、フィリアとグリードは今は案内された部屋でくつろいでいた。
トントンとノックされ、返事をすると現れたのはクロエラであった。
「フィリア様。行きましょう。」
その表情は覚悟を決めたという様子であった。
「はい。それじゃあグリード。また後で。」
グリードは何も言わなかったが、明らかに不機嫌そうであった。
部屋を移動し、衣装部屋に入ると、そこにはピンクの髪の土派手なオネエが待ち構えていた。
「お久しぶりねクロエラ。そちらの瓶底眼鏡がお友達?」
「アレク様、、失礼よ。」
「ま、私の手に掛かればみんな可愛らしく仕上げて見せるけれどね!」
フィリアははっきりと言った。
「これはとりませんよ?」
その言葉にアレクは驚いた。
「なんでよ!」
「これは、私のシンボルなのです。これを取ればもはや私だと誰も思いませんわ。」
はっきりとしたいいように、アレクは肩をすくめた。
「仕方ないわね。でもお化粧の時はとるわよ。」
「ええ。それで構いません。」
「じゃあ、どれを着たいか教えて!今日はあなた達は着せ替え人形よ!」
そう、このイベントは着せ替え人形。
ゲームの中では、カインの高感度を上げる→別荘にさそわれる→着せ替え人形→海でデートの流れである。
カインの高感度をあげるには、カインの好みに合わせた水着を選ぶ必要がある。
今回は魔物が出てこないことに心底安堵した。
だがしかし、ここに別の名の魔物がいた。
「いやん。可愛いわ。クロエラは何を着ても似合うわぁ。それに比べて、、、その瓶底眼鏡やめましょうよ。」
オネエは容赦なくいろいろな水着をさしだしては着せ替えていく。しかも事あるごとに瓶底眼鏡をけなしてくるのだ。
そして、オネエは強硬手段に出た。
「あら、ゴミがついてるわ。」
次の瞬間瓶底眼鏡は奪われ、窓の外へと投げ棄てられた。
「なにするの!?」
「だまらっしゃい!後で弁償してあげるわ!、、っ!あ、、、あなた、、。」
アレクとクロエラはフィリアの素顔を見て絶句した。
「まぁ。まぁ。なんて、、あなた。」
「フィリア様、、何故に瓶底眼鏡を。」
フィリアは溜息をつくと、まぁ、カインの好みとは真逆を選べばいいかと気持ちを切り替えた。
「瓶底眼鏡はもういいですわ。その代わり、クロエラ様の水着は私に選ばせてください。」
そういうと、クロエラは頷いた。
「ええ。それはかまいませんわ。」
よし!カインの高感度上げを頑張るぞ!
フィリアは意気込んだのであった。
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