夏の季節 32
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太陽の日差しが強くなり始め、日中はだいぶ暑くなってきたある日、フィリアとエマは学園のカフェで、のんびりとお茶をしていた。
「それでね、ユーリ様が私に綺麗なチューリップの花をプレゼントしてくれたの。」
「素敵ね!さすが、ユーリ様だわ。エマ様に似合う花をよくわかっているわ!」
フィリアとエマはだいぶ打ち解け、一緒に楽しげに会話をしている。
フィリアは内心でにやにやが止まらなかった。
ユーリのエマに対する高感度がかなり上がったようで、よく2人で出かけるようになった。
そして、エマはこうしてフィリアに報告をしてくれるのだ。まぁ、実は隠れて尾行してにやにやしていた日もあったのだが、本人に聞くのも楽しい。
「あ、そういえば、もうすぐ王立植物園が開館するそうですよ。行ってみてはどう?」
「いいわね!いつも色々アイディアをありがとう。」
フィリアはこうしてイベントのある地を紹介しては高感度上げに勤しんでいた。
「そこの見所は一年に一度咲く花だそうよ。きっといい思い出になるわ。」
それを聞いたエマはにこにこと頷いている。
そんな時であった。
「はぁ〜。」
大きな溜息が聞こえ振り返ると、1人でパイナップルジュースを飲むクロエラの姿があった。
エマは躊躇うことなく声をかけた。
「クロエラ様?どうかしたの?」
その言葉にクロエラは振り向き、エマとフィリアを見つめた。
「なんでもないわ。はぁー。」
明らかになんでもない様子ではない。
「クロエラ様。こっちで一緒に喋りましょうよ。」
エマにそう言われ、クロエラはため息を付きつつ移動してきた。
「ごきげんよう。フィリア様。エマ様。」
『ごきげんよう。クロエラ様。』
挨拶を交わすと、エマははっきりとした口調で言った。
「カイン様と何かあったの?」
クロエラはパイナップルジュースに蒸せて咳き込んだ。
「げほ、、、なんでわかったの?」
「そんなの分かるわよ。クロエラ様。悩んでいるならフィリア様に相談するといいわよ。」
その言葉にフィリアは驚いたが、これはいいチャンスである。
「クロエラ様さえよければ聞かせてくださいませ。」
「う、、、からかわない?」
2人が神妙な顔つきで頷くと、クロエラは話し始めた。
「実は今度、カイン様の家の海の別荘で、カイン様のお兄様プロデュースの水着のお披露目会があるの。それに出てほしいと言われて、、、。」
カインの兄はおねえキャラで、斬新なデザインの服や水着をプロデュースさせては流行らせていた。
ただ、貴族の少女らには水着は刺激の強すぎるものであった。
クロエラは涙目である。
「流行りなのは分かるわよ。でも、あの布の少なさは、、、。」
布が少ないとは言ってもワンピースタイプが殆どだ。だが、普通のワンピースよりは丈が短く、胸元が広く空いている。
「たしかに、勇気がいりますねー。」
だが、これは夏の一大イベントである!
クロエラが誘われていると言うことは、カインの中でのクロエラの高感度はある程度上がっているのだろう。
ならば、ここで一気に高感度は上げるべきである。
「勇気をだしましょう!きっと、クロエラ様の美しさにカイン様はメロメロになりますよ!」
すると、クロエラはフィリアの両手を掴んできらきらした瞳で言った。
「なら貴方も一緒にでない?」
「え?」
「カイン様には友達も誘っていいと言われているの!大丈夫!水着はたくさんあるわ!」
「え…」
「お願いよ!一人じゃ無理!」
「は、、、はい。」
思わず、クロエラの勢いに押されうなずいてしまい、フィリアは慌てて否定しようとした。だか
時既に遅し。
「本当!?ありがとう!カインに伝えてくるわ!また詳細は連絡するから!」
そういうとクロエラはいってしまった。
「あー。頑張ってね。」
エマにそう言われ、うなだれるフィリアであった。
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