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本編最終回


 その日は、盛大な舞踏会が開かれた。


 聖なる乙女をたたえ、オーケストラが優雅に曲を奏でる。


 聖竜となったグリードは、国に祝福を与える存在として歓迎され、皆がその姿を一目見ようとしている。


 暗黒龍となり世界を滅ぼすかもしれなかったことは隠匿されており、レクスは国の監視下のもとで生きていくこととなった。この場にはいないが、聖竜となったグリードに泣きながら喜びを伝えていた。


 皆の笑顔は耐えない。


 そんな中、フィリアは、父親と久しぶりに顔を合わせていた。


 事の成り行きを伝えると、思いがけずすんなりと受け入れられ、フィリアは拍子抜けであった。


 それを言うと、苦笑を浮かべながらロードは言った。


「お前は小さな頃からグリード一筋だからね。いつか、こうなるのではないかと覚悟はしていたよ。」


 フィリアはその言葉に驚いた。


「そんなに私は分かりやすかったかしら?」


「もちろん。だが、フィリアが決めた事なら反対はしないさ。幸せにおなり。」


 父親なりに娘を案じている。


 だが、この娘は規格外であり、幸せにならないという光景が浮かばなかった。


 寂しさを感じながらも、グリードが帰ってきた瞬間の笑顔を見れば仕方ないと思える。


 ロードはグリードの肩に手を乗せて言った。


「娘を末永くよろしく頼むよ。」


「はい。」


 フィリアをグリードはエスコートしてダンスフロアの中央へと進んでいく。


 光を纏うフィリアとグリードが踊る姿は物語の一幕のようであり、皆が、感嘆の声を漏らした。


 フィリアはグリードに笑みを向ける。


 グリードも優しく微笑みを浮かべた。


 そんな二人を囲むように、婚約の発表されたハロルドとルーナ、ユーリとエマ、カインとクロエラ、ロイとマリア、シオンとシェーラが踊り始める。


 皆が、笑い、踊る。


 フィリアはその様子に、大きな瞳に涙をいっぱいにためた。


「ああ、私、幸せだわ!」


 くるりとフィリアを回し、グリードは今度は引き寄せる。


 フィリアは、嬉しそうに言った。


「これはハッピーエンドよね!」


 グリードは、笑うと、フィリアの耳元で囁いた。


「あぁ。だが、フィリア、覚悟はしてくれ。」


「え?」


 グリードは甘い笑みを浮かべながら言った。


「今まで散々、まてばかりだったからな。令嬢方は幸せになったんだから、そろそろいいだろ?」


 フィリアは、きょとんとした表情を浮かべた後に、嬉しげに笑った。


「そう。そうね!」


 グリードは、嬉しげに笑ったが、次のフィリアの言葉を聞いた瞬間真顔になった。


「そろそろ、次は結婚式よね!今度は皆の結婚式の応援をしなければね!!」


「いや。」


「ふふ!楽しみねグリード!私とっても幸せだわ!」


 フィリアのその幸せそうな笑顔に、グリードは大きくため息を付き、そして笑った。


「フィリアが幸せなら、俺も幸せだよ。」


「ふふ!幸せね!」


 そんな光景をニフエルはバルコニーから見守っていた。


 これからフィリアとグリードの進む道は容易ではないかもしれない。


 それでも、二人なら大丈夫だろう。


「さてさて、これからも駄犬の躾が大変そうだ。」


 ニフエルは、空を仰ぎながら笑った。




 おわり


★★★★★★★★★





 これにてら本編は、一応終わりとなります。


 読んでくださった皆様方に感謝申し上げます。


 もしかしたら、番外編など、乗せるかもしれません。


 ご愛読、ありがとうございました!!



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