聖なる乙女 125
光の中から、足音が響く。
皆が、その姿を見て息を呑んだ。
光り輝く銀の髪に、澄んだ銀色の瞳。
見慣れた容姿のはずなのに、初めて見るような感覚に包まれる。
グリードの変わった姿に皆は驚いた。
だが、グリードのその表情は厳しく、皆に視線を送り、そしてフィリアを見つめて止まった。
フィリアは、にこやかにグリードを見つめると、言った。
「おかえりなさい。聖龍に戻って気分はどう?」
明るい声だった。
だが、それに反してグリードは厳しい口調で言った。
「何故、こんな事をした?」
皆が視線をフィリアへと向ける。
すると、にこやかではあるが、冷ややかにフィリアも言葉を返した。
「私の目の前で、勝手な事をした貴方に、私にそう言う権利があると思うの?」
その言葉に、グリードが目を見張る。
フィリアの大きな瞳から涙が流れ落ちた。
「私に、、、あれだけの苦しみを与えておいて、貴方に、貴方に私を諌める権利なんてないわ!」
目の前で、愛しい人が自らの命を断つその瞬間の絶望を、悲しみを、苦しみを、この人は分かっていない。
フィリアはそう感じ、涙を流しながら唇を噛んだ。
「フィリア。」
グリードの声に、フィリアは震える手で手を伸ばし、その胸に飛び込んだ。
「貴方の命が、、、手からすり落ちていきそうになって、、、怖かった。」
グリードは何も言わずにフィリアの言葉を聞いた。
「私は、、、貴方がいなきゃ、、駄目なのよ。だから、これから、ずっと側にいて。永い時を共にして。」
グリードは、そっとフィリアを抱きしめた。
「俺は、、、、フィリアに、、、こんな道を歩ませたかったわけじゃない。、、、ずっと笑っていてくれたら、、それで良かったんだ。」
「そう言うなら勝手に死にそうにならないで。」
「すまない。もう、、、遅いかもしれないが、、後悔しないか?」
フィリアは、その言葉に首を横に振った。
「後悔しないわ。むしろ、嬉しいくらい。」
「え?」
フィリアはにっこりと笑み浮かべてグリードを見上げた。
「私、貴方に恋した頃からずっと、貴方と共に生きる方法を探していたの。私にとっては、まさに棚からぼた餅よ!」
その言葉には、皆が目を見張る。
そんなフィリアに、グリードは堪えきれなくなり笑い声を上げた。
それにつられるように皆が声を上げて笑う。
それにフィリアは驚いたが、皆が笑っているからいいかと、自らも笑った。




