表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雪女の娘の20億分の1の1日  作者: サラブレッド三世
5/9

第五撃 油断すべからず!ブラジリアンキック命中!!

新キャラ登場♪

「俺の……部屋がない…」

 俺、東山東ひがしやまあずまは3日の散歩と1日をお姉さん達と過ごした後自分のアパートへと帰った。

 が、そこは空き部屋とのプレートがあった。

 恐る恐る中へ侵入すると全ての荷物が片付けられていた。


「そういや、俺死んでるんだった。」


 当たり前かもしれない。親が遺品整理したのだろう。親は元気しているのかな。余りにも最近、急展開過ぎてすっかり忘れていた。

 そしてもうひとつ最悪の事態を思い出した。

「俺のエ○本が…」

 膝から崩れ落ちてしまった。

 確かなかなかマニアックなのもあったはずだし。全て見られたことは容易に想像がつく。

「恥ずかし過ぎて死ぬ…」

 死んでるけどね。




 働いていた会社へ行ってみた。

「俺の席がない…」






「……はぁ…」

 改めて自分の置かれた状況を再確認させられると、何だか虚しくなってきた。

 行く宛のない俺は定番の近所の公園のベンチで項垂れていた。何度目のため息だろうか?これからどうすればいいのか?自問自答を繰り返していた。





「お兄さん何やってるの?」

「え!!」

 急に声をかけられて驚いてしまった。

 目の前には小学生ぐらいの女の子がいた。赤い着物を着ており長い黒髪を後ろで乱雑にゴムで束ねていた。

 そんなことよりも彼女には俺が見えている。つまり…

「君は幽霊?」

「ひみちゅ~」

 女の子はにかっと笑いつつ、人差し指を唇にあてた。


 か、可愛い…

 ん、どっかで見たことあるような…


「あそびょうよ~」

 ベンチの周りをくるくる駆け回る。

 まあ、暇だしな。

「いいよ。」

「わーい!!」

 ぴょんぴょん飛び回る。元気の塊みたいな子だな。


 それから俺達はひたすら、かくれんぼをした。それはもうひたすらだ。日がくれて、また上って、また沈むまでした。久しぶりにするとなかなか面白かった。町ひとつが範囲なので隠れる所はいくらでもあった。何故かずっと俺が鬼だったのだが。

 訪ねると「おにいさん、でしょ?」と何とも可愛い応えが返ってきた。


「名前はなんて言うの?」

「ひみちゅ!!」 ニカッ

 人差し指を唇に。笑顔がまぶしい。







「あんた何やってるにゃ?」

 後ろから声がした。見ると花子とコユキがいた。巫女コスなので、どうやら幽霊退治に行く様だ。

「この子と遊…んで……」

 あれ、誰もいない。


「頭大丈夫にゃ?」

 いや、そんな憐れみの目で見るな。

「…………早く…行く……」

 いや、無視するな。


「その必要はないわ♪」

「お姉さん?」

 そこにはクレープ片手に突っ立ってるギャルがひとり。

「だれだよっ!!」 ビシッ

 いや、ホントに誰だよ?ツッコミたくもなるだろ。

「わたしよ♪」

 口調はお姉さんっぽい。

「ちょっとクレープ食べたくて、体を拝借しちゃった♪」

 いいのか、それ?

「誰の体にゃ?」

「さあ、その辺で倒れてたの。」

 いいのか、それ?というかなにがあった!?


「…………なぜ……」

 と巫女コス。

 おっとそうだった。その話だった。


「耳を澄ませなさい。」



「……」



「……」



「……」






 キャ-




 あれ、悲鳴が聞こえた。


 キャー


 だんだん近づいてくる。


 タタッ

 巫女コスが走りだしすぐそこの交差点を曲がった。が、すぐにまた転がりながらその姿をみせた。

 何かに押し返された様だ。


 俺達も追い付き、曲がった先には…

「キモイにゃ。」

 同感。

 ボロボロの道着を着た。ゾンビみたいなのがいた。色々溶けてるし。垂れてるし。

 この辺りは少ないとは言え、一応人通りがある。あれを見たら悲鳴のひとつあげたくなるだろうな。ん、見たら?

「完全に実態化してるわね♪」

 とお姉さん。

 どうやら一般人にもあれが見えているらしい。


「……………雪女…知ってる?…」

「……」

 ゾンビ似の変異体は応えるどころか睨んでくる。友好的でないのは確かだ。


「コユキちゃん、成仏させてから自分で探した方が早そうよ♪」

 ビシッとお姉さんは変異体を指差す。

「…………了解……」



 巫女コスはすぐさま、距離を詰める。そして、速攻の右ストレート。

「かっかっかっか!」

 変異体は笑いながらそれをいなした。

「…………やっ…」

 今度は素早い左ジャブ。俺ならまず避けられない。

「かっかっかっか!!」

 全て受け流される。


【正拳突き】


「……!!…」

 コユキはガクッと膝をついた。

「かっかっかっ!」

 余裕の笑みで見下ろしている。まるで、わざと止めを指さない様だ。


「大丈夫なんですか!?」

「あの技術は本物のようね。生前、空手でも極めていたのかしら。」

 悠長なことを言っている。


 巫女コスは再び立ち上がり、中腰のまま


【スピアー】


 敢えなく避けられそのまま電柱へ

 バキッ

 突っ込み、電柱はへし折れた。コユキは頭を押さえジタバタしている。俗に言う自滅だ。


「ん~、ちょっとまずいかなぁ。」

 お姉さんはクレープをパクり。まだ食べてるのかよ!

「甘いものは脳を活性化させるのよ♪」

 いや、聞いてないですよ。というより今脳が活性化するのそのギャルさんではないですか!?


 コユキはフラフラしながら立ち上がってる。

 変異体はその様子を面白そうに見ている。


「よし♪」

 お姉さんは頷いた。

「花子、一瞬でいいから隙をつくってね。」

「はいにゃ。」

 そして彼女にも一言。

「コユキちゃん、必殺技フェイバレットNO.45よっ♪」



「ふにゃー!!」

 突然に花子が変異体に飛びかかった。

「かっかっかっ!」

 片手で払い除けられる。俺を死の間際まで追いやったネコを一撃とは。ゾクッと背中を冷たいものが流れた気がした。


 その一瞬で巫女コスが距離を詰めるには充分だった。

 そして右足は左足を軸に変異体の頭目掛けて伸びる。


「かっかっかっ!!」

 変異体は少し焦った様に両手をガードのため頭の横へ動かす。折角の隙もダメだったのか…


 ニヤリ、お姉さんは不適に笑う。


 しかし、その右足は軌道を変えた。


【ブラジリアンキック】


 脇腹に直撃した。

「かかかっ!!!!!!」

 そして止めの右ストレート。



 後ろに倒れると痙攣をしだした。

 どうやら終わったらしい。


「………くっ…」

 コユキは倒れそうになり、それをお姉さんが支えた。

 どうやらクレープは食べ終えたらしい。

「さ、逃げるわよ♪」

 お姉さんはそのまま彼女をおんぶして駆け出した。いつの間にか、周りは野次馬が集まり出していた。人のあいだを縫って走って行く。


「あたしらは急がなくていいにゃ。」

 と花子さん。

「あんたは最初から見えないし、あたしは姿を消せるにゃ。でもコユキは姿を消せないにゃ。」

 そう言えば、そんな話も聞いた気がする。

 ネコは歩き出す。

「あの巫女のコスチュームも今日みたいに人に見られた時の保険にゃ。」

 そうなんだ。もしかして、お姉さんは彼女が力尽きるのを見越してギャルに憑依してきたのか?先読みし過ぎだろ。




「ところで、何でわざわざ変異体だったり、人に悪さしかねない幽霊退治してるんですか?」

 疑問のひとつだ。

「人間にも協力者がいるにゃ。」



 花子によれば、雪女には人間の協力者がいるらしい。コユキにラーメン屋の土地を提供しているのもその連中らしい。その代わりに人間に危害を与える可能性のある幽霊を初めとした人成らざるものの排除が契約らしい。



 知らないだけで、実際に幽霊とかと関わりのある人がいるんだな。







 ……そう言えば、あの女の子はどこいったんだろ?




スピアー外れましたね。え、技のイメージができないって。検索したらすぐに見つかりますよ。

一応実在する技です。




必殺技フェイバレットNo.45 ブラジリアンキック】


No.はコユキとお姉さんの暗号の様なもの。軸足の柔軟性を使って蹴りの軌道を途中で変えて蹴る技。反応が速い敵にこそフェイントととなり有効。今回は頭への蹴りの軌道を脇腹に変えたが、本来はそのまま足を降り下ろす。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ