表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
21/23

Sequence‐7 ~ティア♡ 好き ~

「おおー! こりゃ盛大に跳ねたなぁ」


今度は、冷静にPAD操作で事象解析PCの警告音を止め、そこに映し出された磁場曲線の数値を、満足気に確認。

そして、採取したデータのフォルダインデックスに…

“codename:99-S/α”

…と、意気揚々に打ち込んだ。


一方…

「聞くのは2回目だけど…この音…どうにも慣れないわ」

ダメージ大きめの佑梨が、息荒めで呟く。

「携帯の地震アラームより怖い」

玲も、佑梨に同意する。

「まあ…警告アラームだからな」

そして、シルビアが一蹴する。


そんな佑梨と玲を横目で見ながら…シルビアは、覚醒した青い目のゴスロリ姫を確認して、興奮を抑えきれない。


「今、この瞬間から、この姫のコードネームは、99-S/αとする!」

「スラッシュ アルファ…」

意味ありげに呟く吏玖哉に…

「一番最初…始まりという意味だ。 あくまでもコードネームだがな」

シルビアは、名前というデリケートな部分に最大限…気を使って言った。


「これぞまさに快挙! さながらJ・A・ハイネック流に言えば、 “第3種接近遭遇”状態だぞ!」

興奮がピークに達するシルビアだが…

「ハイネック…って、誰です?」

そんなシルビアに、冷や水を浴びせるが如くツッコミを入れる佑梨。

「アメリカの天文学者で、ついでにUFO研究家だ」

「今度は、宇宙に跳んだ!」

目を丸くし、ビックリする玲。

「“第3種接近遭遇”は、スピルバーグの“未知との遭遇”の原題だぞ」

「ほぇー…そうなんだ(×2)」

突然飛び出した雑学に、感心しきりのふたり。


そんな中、吏玖哉に対して明らかな好意の意識を向けてくるゴスロリ姫に、シルビア程ではないにしても…吏玖哉自身も“新たな扉”が開いたという…そんな感覚が芽生えていた。


興奮冷めやらないシルビアは、吏玖哉に次の要求を出す。

「ツゲリクヤ、次だ! “第4種接近遭遇”…意思の疎通は可能か?」

「意思の疎通…やってみます」

はじめてのことに、緊張気味の吏玖哉…

「…お名前は?」

…そして、彼以上に、緊張して見守る女子三人。


「 ……     …    ティア♡」

姫は、首を傾げてにっこりと笑った。


四人のうち…

吏玖哉と次元波長偏光眼鏡を掛けたシルビアだけが、愛おしい“ティア”の声を聞くことができ…あまりの驚きに顔を見合わせる。

「聞こえた! 聞こえたぞ、ツゲリクヤ!」

「はい! 見えれば、聞こえる…ってことでしょうか?」

玲と佑梨の反応を見ながら、吏玖哉が冷静に分析する。


一方…

勝ち組二人の喜びように、不平不満を爆発させる玲と佑梨。

「ふたりだけ、ズルい! わたしも見たい~!」

「教授、今までの態度を心から謝罪します…だから、早く代わって!!」

「おっおい、ちょっと待て!」

大人気のシルビア…もといヘンテコ高性能眼鏡を取り合って、阿鼻叫喚の女子三人。


そんな中…吏玖哉がこっそりと蒔絵箱の中のティアに話しかけた。

「名前のティア…って、僕が言った、冠・ティアラのティア?」

「……      はじめての名前…ティア♡ 好き」

ティアの気持ちに、目を細める吏玖哉。

「そう…よかった」


アラームこそ鳴らないものの、シルビアのPADに記録され続けている磁場曲線の数値は…当分の間、上限から戻ることはなかった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ